やっとの思いで、家に着く。
飲み過ぎた…気持ち悪い…
途中でちょこちょこ電車を降りながら、
必死の思いで帰ってきた。
時計を見ると、もうすぐ0時…
とりあえず、シャワーだ。
浴室へ行き、熱めのお湯を浴びた。
『好きだよ。あなた…』
彼の声が、頭から離れない…
望くんの電話がなかったら、
確実に後悔する方へ進んでいた。
望くんに感謝だ。
ちょうどベッドに入った時、
ブーブーブーブー
電話が鳴った。
望くんかな?
流星くんから事情を聞いて、
葉月の家へ走った。
隆行くんに殴られた?
危ないってどうゆう事?
なんで戻ったの!葉月!
マンションに着いて、
エントランスで鍵を開けようとした時、
自動ドアが開き、隆行くんが出てきた。
目を真っ赤にしながら…
とても声をかけられるような感じではなかった。
葉月の部屋へ急いだ。
葉月は憔悴しきっていて…
声をあげて泣いた。
こんな葉月は初めてで。
私は抱きしめることしかできなかった。
しばらくして落ちついた時、
葉月は横になると、
布団をかぶって泣き始めた。
余程のことがあったのだろう…
そうだ…
流星くんに連絡しなきゃ。
と、携帯を家に忘れてきた事に気づく。
取りに行こうとマンションを出ると、
そこには流星くんがいて。
鍵を渡した。
走って家に戻った。
携帯を持って出ようとすると、
身体がふわふわしてきて…
頭がガンガンしてきて…
流星くんにLINEをした。
ベッドに倒れ込む。
目が覚めた時は、もう朝だった…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!