第36話

I need you M end。
989
2020/03/16 05:02
_you。

そら君は色んな感情を背負って、

私の恋を後押ししてくれてる。

見えない瞳は何を映してるんだろう。

そら君を置き去りにするのを躊躇った。


でも、もう決めたから。
(なまえ)
あなた
ありがとう、そら君。
一言だけ言うと、私は教室を後にした。



_S。

俺はもう振り向かない事にした。

結局、あなたの恋を後押ししてしまった。

「自分を選んで」とは言えなかった。

あなたがはっきり「まふが好き」って

言った時に何かが切れた。

だからせめて仲違いをおさめて、

応援するのが関の山だった。
(なまえ)
あなた
ありがとう、そら君。
あなたの言葉につい振り返ると

もうあなたの姿はなかった。

結局、俺じゃ駄目だったんだな……。
そらる
そらる
後は頼んだぞ……まふ。

_M。

あなたが、来ない。

そらるさんを選んだのかな。

今頃2人で笑ってるのか…?

長さの決まってない待ち時間は

僕の心に影を落とすばかりだ。

ネガティブゾーンに入りかけた時、

彼女は姿を現した。
(なまえ)
あなた
ごめん、遅くなっちゃった…。
走って来たのか息切れしてる。

僕の方へ向かってくるあなたの顔は

清々しさに満ちていた。

そらるさんと、ちゃんと話が出来たみたいだ。
まふまふ
まふまふ
大丈夫。
そして僕のところに来てくれたってことは……。

現時点であなたの気持ちを知れたようなものだけど、

僕から何を言えばいいのか分からない。

そうだ。

僕はずっと、"好き"とは別に

伝えたいことがあったんだ。
まふまふ
まふまふ
あなた、返事の前に
僕の話を聞いてくれない?

_you。

まふまふ君にいよいよ返事をする。

お互い緊張していて会話も辿々しい。

私が本題に入ろうとすると、

まふまふ君はそれを制した。
(なまえ)
あなた
いーけど…何?
まふまふ
まふまふ
伝えてなかったじゃん。
僕があなたを好きになった理由。
(なまえ)
あなた
そーだね…。
ずっと言ってた、まふまふ君になくて

私にあるもののこと…?
まふまふ
まふまふ
あなたはいつも人のために頑張ってる。
例え自分が望まない仕事でも、
文句言わずこなしてる。
人前に出るのが苦手な僕にとって
大変な仕事も淡々とこなす、
人に尽くせるあなたに惹かれたんだ。
(なまえ)
あなた
そんな、大した事ないよ…。
私が謙遜すると、まふまふ君が

私に寄ってきて肩を力強く、

だけど優しい手つきで掴んだ。
まふまふ
まふまふ
だけどさ、あなた。
もっと自分を大事にしてよ。
あなたは自分を犠牲にしすぎ。
あなたの目にはいつも影があって、
1人で溜め込んでる。仕事も、涙も。
(なまえ)
あなた
え……?
まふまふ
まふまふ
僕を頼って。
いくらでもあなたが
溜め込んでる感情を受け止めるし、
愛も要らないくらいあげる。
ずっと側にいるから。
まふまふ君は私の目を真っ直ぐ見て話し続ける。

彼の瞳に自分が映ってるが分かる。
まふまふ
まふまふ
僕にはあなたが必要だから!
(なまえ)
あなた
……!
まふまふ君の言葉が私の心に直接響く。

私が、必要…?

私の心に絡まった細く、黒い糸が

解けていくような感覚。


私が、一番欲しかった言葉。

彼はやっぱり私の心の穴を埋めてくれる。

私を、明るくしてくれる。
まふまふ
まふまふ
あなたはとっても頑張り屋だけど、
すぐに1人で溜め込んじゃうから。
凄いなと思うと同時に
僕はこの人を支えられる人に
なりたいなって思ったんだ。
まふまふ君は私の肩から手を離した。


私にも、まふまふ君は必要不可欠だ。
(なまえ)
あなた
私も、まふまふ君が必要だよ。
まふまふ君がいてくれたから…
心から笑えるようになったし、
明るく過ごせるようになった。
…ありがとう。"大好き"!
私は言い終わると全力で笑った。

感謝を始めとした、彼への想いを込めて。


するとまふまふ君は顔を赤くした後

今まで見た中で一番の笑顔で
まふまふ
まふまふ
あなた。ずっと好きでした!
僕と付き合って下さい!
と言って手を差し出した。

目の前にいる彼の姿は"前"とぴったり同じだけど

お互いの想い、特に私から彼への想いは

凄く変わった。


前とは違って私は焦ることなく

差し出された手を取り、
(なまえ)
あなた
はい!
明るく、元気よく笑った。

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