第45話

Special episode s-3。
724
2020/04/04 06:37
_you。

今日はそら君とのお家デート。

そら君は春に私の家から少し離れた

マンションに引っ越した。

大学に近いんだって。
(なまえ)
あなた
お邪魔しまーす。
そらる
そらる
はーい、お邪魔されまーす。
男性の一人暮らしにしては綺麗すぎる部屋に

色のトーンが揃えられた家具。

群青色のソファに腰掛け、荷物を置く。
(なまえ)
あなた
凄い、綺麗にしてんだね。
そらる
そらる
昨日慌てて片付けた。
(なまえ)
あなた
え、そーなの。
そらる
そらる
うん。ゲームする?
(なまえ)
あなた
する!

それから2人で話しながらゲームをした。

隣にそら君が座ってて、

一緒に笑いながらいられて楽しかった。

半分以上負けたけど。

(なまえ)
あなた
……じゃあ、またね。
そらる
そらる
…うん。
お互い名残り惜しい。

でも帰らなくちゃとドアを閉めた。


1人、暗い道を歩く。

今日のそら君、どこかおかしかった。

ゲーム中に上の空だったり、

話してても顔色が曇ってたり。

もしかしてこないだ大学で話してた人と

関係あるのかなぁ。

やっぱり私じゃ、不釣り合いなのかな…。


数日前、まふ君に相談しても
まふまふ
まふまふ
え?そらるさんが浮気?
ないないw
(なまえ)
あなた
えー、でも楽しそうに話してたよ?
まふまふ
まふまふ
そらるさんにも異性の
友達くらいできるでしょ。
まっさかそらるさんに限って
浮気なんかする訳ないよww
と笑い飛ばされて終わったのでダメだ。

こっちは真剣に悩んでるのに!
まふまふ
まふまふ
あなた、そんなに不安なんだったら
これだけは忘れないで。
"あなたがそらるさんを
ちゃんと見てれば大丈夫"だから。
笑い飛ばした後の真剣な目をした

まふ君の言葉が蘇る。

私がちゃんとそら君を"見る"…?


私は歩を止めて引き返した。

さっきより早足になって。

すぐにコンビニに寄り、そら君の家に向かった。


私が見てたそら君は………浮気なんてしない。

顔色が悪かったのは

"気持ち"じゃなくて"体調"の問題。

そら君が小さい時から風邪をひいた時の特徴。

よく思い出せば全部揃ってる。
(なまえ)
あなた
私は、何を見てたんだ…。
……ありがとまふ君。
私はインターホンを鳴らす。
そらる
そらる
……はい。
(なまえ)
あなた
あなただよ。
そらる
そらる
……え?
(なまえ)
あなた
開けて。
そらる
そらる
あなたどした、の。
忘、れ物……?
(なまえ)
あなた
ん〜、そーだね忘れ物。
そら君、具合悪いなら言ってよ。
言葉も途切れ途切れで息も上がってる。

こりゃ相当我慢させちゃったみたい。
そらる
そらる
……嘘、バレた?
(なまえ)
あなた
昔から隠せてないんだよ。
私には何でも分かっちゃ……そら君っ!
糸が切れたみたいに

そら君の体がぐにゃりと曲がった。

何とか支えてさっき来た時に教えてもらった

部屋割を思い出しながら寝室に連れて行った。
(なまえ)
あなた
……熱高っ。
何したの、そら君。
そらる
そらる
…最近、大学の課題が……
終わらなくて…。
(なまえ)
あなた
無理しちゃダメだよ?
そらる
そらる
んぅ。
さっき買ってきた冷えピタを彼のおでこに貼る。
(なまえ)
あなた
体は寒いでしょ?
布団掛けて待ってて。
お粥、作ってくる。
布団を首まで掛けてキッチンに向かおうとすると、

そら君に手を掴まれた。
(なまえ)
あなた
……そら君?
そらる
そらる
…寂し、い。
(なまえ)
あなた
待ってて、すぐ戻って来るから。
弱ってるのかそら君が甘えてくる。

いつも大人っぽい彼の可愛らしい姿に

微笑みながらも優しく言い聞かせる。
そらる
そらる
……すぐ、戻ってきて、ね…?
(なまえ)
あなた
うん。
キッチンに行って冷蔵庫を開けると

想像通り物が少ない。

最低限度の物はあるけどちょっと足りない。

さっきコンビニで買って来た物が役に立つ。

そら君のお母さんが作ってたお粥を

思い出しながらアレンジを加えて作った。

プリ小説オーディオドラマ