第38話

I need you S end。
916
2020/08/05 14:27
_you。

そら君は色んな感情を背負って、

私の恋を後押ししてくれてる。

見えない瞳は何を映してるんだろう。


私の中で何かが揺れ動く。

私、私は…。

"彼"には申し訳ないけど……

この気持ちに素直になりたい!
そらる
そらる
えっ……!ちょっ、あなた⁉︎

_S。

背中に視線を感じる。

行くなら早く行ってくれ。

もう俺に出来ることなんてないから。


そう思ってたら急に、後ろから抱きつかれた。
そらる
そらる
えっ……!ちょっ、あなた⁉︎
な、何して………。
(なまえ)
あなた
私は……そら君が好きっ!
そらる
そらる
で、でもさっきまふが好きだって……。
(なまえ)
あなた
そう、思ってた。
でもまふまふ君への好きは"友情"で、
そら君への好きは"愛情"だって。
そら君の言葉で……気付いたの。
身勝手で…ごめんね…。
顔は見えないけど、声からあなたが

真剣なのは伝わってきた。

そしてその声に申し訳なさが混じっているのも。

それは俺に対しても、まふに対してもだと。


_M。


何となく、そんな気はしてた。

僕のとこには来ないんじゃないかって。

感じてたし、分かってた。

でも、でもどこか期待はしてた。
まふまふ
まふまふ
やっぱり……僕じゃ、ダメだったか…。
壁にもたれ掛かり、溜息をつく。

でも、あなたが幸せならそれでいい。

例えあなたを笑顔にするのが自分じゃなくても。
まふまふ
まふまふ
そらるさん、あなたを頼みましたよ……。

_you。

必死にそら君に想いを伝えた。

これが、私の選んだ答え。

ずっと影で、私を支えてきてくれたそら君。

私は……彼の側にいたい。


私が話し終えるとそら君はそっと私を離した。
そらる
そらる
俺で……いいのか?
(なまえ)
あなた
そら君がいい。
そら君じゃなきゃ、ダメなんだよ。
そら君の瞳がゆらゆら揺らいでいる。

私はそら君の問い掛けに心を込めて答える。
そらる
そらる
……さっきは過去への後悔ばっか
言ったけど、今は違う。
(なまえ)
あなた
うん。
そら君の目に光が宿ったのが見えた。
そらる
そらる
俺にはあなたが必要なんだ。
あなたが俺から離れて気付いた。
あなたがいないと色のない人生で。
楽しいことがあっても
呼吸が出来ないような苦しさが
常にどこかにあった。
(なまえ)
あなた
うん…。
ぽつりぽつりと話すそら君の言葉が

私の心に刺さる。

でもさっきの言葉とはまた、違った響き方だ。
そらる
そらる
俺にとっての一番はあなたなんだ。
俺にはあなたの側にいることしか
出来ないけど。
あなたがそれでもいいなら。
ずっと側にいる。
嫌だって言ったってもう絶対離れない。
あなたがいての俺だから。
私は無言で頷く。

涙で相槌すら言葉に出来なくなったから。

そら君が、そんな風に言うから……

涙が止まらなくなっちゃったんだ。
そらる
そらる
あなた…⁉︎
俺、また……。
(なまえ)
あなた
ち、がうの。
ただ、ただ……う、嬉しく…て。
そら君が心配した目で私を見る。

拭いても拭いても涙が止まらない。

私が一番求めてた言葉、存在。
(なまえ)
あなた
私にとっての一番も、そら君だよ。
ずっと一緒にいたい。
もう、離れたくない。
必死に指で涙を塞き止めて笑顔で言う。
そらる
そらる
…!
そら君は少し驚いたように目を見開いた後、

直ぐに笑顔を返してくれる。


そして私との距離を一歩近づけて
そらる
そらる
あなた。
俺と、付き合って下さい。
目を合わせたまま、お互い笑顔のまま。
(なまえ)
あなた
はい!
私が返事をしたのと同時に開かれた両手。

私は走ってそら君の懐に潜る。
そらる
そらる
もう離さないから。
(なまえ)
あなた
私ももう、離れないよ。
お互い背中に手を回す。

そして私が上を向くとそら君は微笑んだ。

この笑顔と温もりは、

色褪せること無く

私の側にあり続けるだろう。

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