第9話

you 5。
1,220
2020/01/03 02:00
まふまふ君を避けて数日。

彼が話しかけようとしてきた時、移動教室、下校。

悲しそうな顔をしているのが見えても、

私は彼から逃げた。

まふまふ君、ごめんなさい。


女子達は私の行動を細かく見張っていた。

常に視線を巡らせれば彼女達の誰かと目が合う。

まふまふ君が私に

話しかけてこなくなるまでの辛抱だ。


女子達の嫌がらせはどこまでも陰湿だった。

こんな私にも友達がいる。

その友達が女子達に脅された。

だから私は少し距離を置こう、と言った。

友達は「ごめんね。」とだけ言って

それから必要最低限以上話さなくなった。

今、私は基本1人。

女子達はそんな私を見て楽しんでいる。

別に1人は嫌いじゃない。

ただ、くだらない日常とどうでもいい感情を

共有する相手がいなくなるだけだ。


数週間経ち、文化祭の

学級発表の内容を決める時間。

具体的には出し物と、

劇の中身を決めないといけない。

私は学級委員長でもあるので

黒板の前に立ち、仕切り始める。
(なまえ)
あなた
はい。それでは文化祭の学級発表、
出し物と劇の内容を決めます。
まずは、出し物の案を
5分間で考えて下さい。
タイマーをセットして黒板に貼り付ける。

私は進行の特権というやつで考える必要がない。

時間が過ぎるのを待った。


タイマーが鳴り響く寸前で止める。
(なまえ)
あなた
考えた案を発表して下さい。
誰も手を挙げない。

こいつら、さっきの時間何してたんだよ。
(なまえ)
あなた
誰か、案がある人いませんか?
皆、誰かが言うのを待つように

様子をうかがっているだけで誰も手を挙げない。

どうしようかと考えていると

"あの女子達"が手を挙げた。
(なまえ)
あなた
どうぞ。
女子「えっと〜〜…あれ?何だっけ!
ねぇ、さっき言ってたの何だっけー?
めっちゃいいの思いついたじゃん、あれ〜…」

椅子から立った女子は発表せず

周りの女子達と顔を合わせて言葉を曇らせる。
(なまえ)
あなた
内容が決まってから手を挙げて下さい。
私が言うと

女子「思い出せそうなのにー。」

と不満そうに座る。

私のクラスの男子達は女子に合わせればいいや

というスタンスなので何も言わない。

私が口を開こうとすると

女子「じゃあ、人に振ってばっかの委員長は
何がいいと思うんですかー?」

女子「委員長も意見言わないとね。」

私に話を振ってきた。

不意打ちを食らったが、ここで答えれば私の勝ち。
(なまえ)
あなた
私は…無難にチョコバナナとかの
食べ物系の屋台がいいと思います。
女子「えー。ありきたりじゃん!」

女子「それな。他クラスに負けないような
斬新なのにした方がいいでしょ。」

女子「食べ物とか作んのだるくね?」

私はきちんと答えたのにこの文句の言いよう。

先生も他の女子も男子も逆らうのが

面倒くさくて何も言わない。
(なまえ)
あなた
食べ物系の屋台以外の案がある人は
手を挙げて言って下さい。
意見を求めると途端に黙る。

これじゃ全く話が進まない。

私のイライラは増すばかりだった。


それからも女子達による妨害は続き、

結局出し物はコスプレカフェになった。

劇の内容の話をする時間はなかった。

いい加減女子達の嫌がらせは我慢の限界だった。

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