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第46話

Special episode s-4。
890
2020/04/05 08:37
_you。

私が寝室に入るとそら君が体を起こした。
(なまえ)
あなた
そら君、お粥食べれる?
そらる
そらる
ん。……食べさせて。
(なまえ)
あなた
分かった。はい、あーん。
そらる
そらる
あーー……ん、おいひい。
久々に見た彼のはにかんだ笑顔。

いつもの大人っぽい微笑みとは違った力がある。

そら君が子供っぽくなるのは

弱ってる時だけだからレアだ。
(なまえ)
あなた
薬、飲める?
そらる
そらる
うん…。
お粥を食べ終えた彼に薬と水を渡す。

片付けの為に部屋の出て、

戻ると長い睫毛を落として眠っていた。
(なまえ)
あなた
…っ、寝ちゃったか。
おやすみ……。
それから氷枕を買いに行ったり、

着替えの準備をしたりした。

いつの間にか寝落ちしたみたいで

朝、そら君に起こされた。
そらる
そらる
あなた、おはよ。
(なまえ)
あなた
おはよ、そら君。熱どう?
そらる
そらる
もうダルさもなくて元気。
昨日は本当ありがと。
(なまえ)
あなた
いーえ。
そらる
そらる
お風呂沸かしたから入ってきな?
(なまえ)
あなた
あー、ありがと。
私替えの服持ってないけど……。
そらる
そらる
何か探しとくよ。
(なまえ)
あなた
はーい。
それから私も彼もお風呂に入って、朝ご飯を食べた。


私はふと思った。

結局話してた女性は誰だったのか。

どんな関係の人なのか。

私はそら君に釣り合う彼女でいられてるのか。

いちいち聞くのは重い女だと分かってるけど

無性に聞きたくなった。

モヤモヤは晴らしておきたい。
(なまえ)
あなた
ねぇ、そら君。
私、そら君に釣り合う
彼女になれてる?
そらる
そらる
ん?急にどーしたの。
(なまえ)
あなた
ごめん、最近悩んでて
聞きたくなっちゃって。
もうここまで来たら何も隠さず

素直に言うことにした。

私はそら君をちゃんと"見る"。

彼に私がどう映ってるのか知りたい。
そらる
そらる
俺もあなたが釣り合ってるか?
……そんなの、当たり前じゃん。
寧ろバランスが悪いとしたら
俺があなたに相応しくないかも
しれない可能性だけ。


_s。

突然不安げな顔で何を言い出すかと思えば。

あなたの質問は余りに愚問すぎた。
(なまえ)
あなた
……そっ、か。
ありがと…。
俺の発言を聞くと顔を赤くしてそっぽを向いた。

そーゆーとこ。

俺の貸したぶかぶかのパーカーの袖で

必死に顔を隠そうとして。

いちいち可愛くて困ってるくらいなのに。
そらる
そらる
ほんと急にどしたの。
何で悩んじゃったの?
出来るだけ優しい声で言う。

俺が何か、彼女を不安にさせるような

ことをしただろうか。
(なまえ)
あなた
……こないだ大学に迎えに行った時に
話してた女の人と仲良さそーだったから
私じゃ子供っぽいのかなって、
思っ…ちゃって……。
恥ずかしいのか更に顔を赤くして、

だけど素直な理由を教えてくれるあなた。


ん?女の人?

俺があの時話してたのはうらた君では…?

……www

もしかしてあなた、うらた君のこと…w
そらる
そらる
……あなた、あの時話してたのは
うらた君って言う
大学で一番仲良い友達。
うらた君は正真正銘のお と こ !
(なまえ)
あなた
え"……。


_you。

そら君から告げられた真実は予想外。

私、何と言う勘違いを!

そら君にも"うらたさん"にも失礼なことを……。
そらる
そらる
…安心した?
(なまえ)
あなた
うん。何か……ごめんなさい…。
照れではなく羞恥心で赤くなる。

そら君は優しく微笑んでるけど

内心大爆笑してるのが見て取れる。
そらる
そらる
…wいーよ。
俺はあなたが嫉妬してくれて嬉しいし。
(なまえ)
あなた
え…?
そらる
そらる
それだけ俺のこと
好きだってことじゃん。
あ、それとねあなた。
(なまえ)
あなた
う、うん…?
そらる
そらる
あなたは誰が何と言おうと
最高の彼女だから。
あなたの看病のおかげで
こんなすぐ治ったんだし。
ね?不安になることないよ。
そら君がつらつらと恥ずかしいことを言うので

嬉しさと照れで借りた彼のパーカーの袖に

顔を埋める。
(なまえ)
あなた
ありが、と……。
そらる
そらる
やっぱり離れてて寂しいから
そう思っちゃったりするのかもね。
で、俺思ったんだけど一緒に住まない?
(なまえ)
あなた
え…?
私、迷惑じゃ……
そらる
そらる
迷惑な訳ないじゃん。
家事出来るあなたが一緒だったら
助かるし嬉しい。あなたは?
(なまえ)
あなた
私も嬉しい、よ…。
そら君の提案に驚きながらも喜ぶ。

一緒にいられる時間が少しでも増える。


私が「これからもよろしく」と

口を開こうとしたら彼の優しい匂いに包まれた。
そらる
そらる
……これからもよろしく、あなた。
(なまえ)
あなた
うん。ずっと、一緒だよ…。



それから私はそら君と同棲することになった。

学校以外の時間は一緒にいられる。


もう離れない。

私達はずっと、一緒だ。

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