_you。
そら君と付き合ってから初めて迎えた春。
私は高校3年生、そら君は大学生になった。
春はほとんど会えなかった。
そら君は一人暮らしになって家も離れちゃったし。
寂しいけど私も忙しさに耐えて頑張った。
そして夏。
私は"まふ君"と教室に残ってる。
まるで去年と同じように。
と言っても距離感が全く違う。
文化祭での一悶着の末、
仲の良い異性の親友になった。
今年もクラスが同じでこーして放課後、
教室でダラダラと話す。
一応受験生だから勉強もしながら。
7割話してるけど。
_s。
春が過ぎても中々新生活に慣れるのは大変で、
俺はほとんどあなたに会えてない。
L!NEでのやりとりだけでしか話せてない。
寂しさに潰されそうだけど
今は自分の生活をこなすしかない。
高校からの同級生、うらた君。
まふと坂田も入った4人はゲーム仲間。
唯一同い年のうらた君とは学部は違うけど
同じ大学だからよく一緒に行動する。
いつも的確なアドバイスをくれるうらた君だけど
今のテンションが低いからか、
話題が話題だからか反応が冷たい。
_you。
夏のある日。
私はと言うとそら君のいる大学の前に立っていた。
こないだまふ君に
と言われて
と言ったものの
と小馬鹿にする言い方をされたので
と見事に乗せられて大学まで来ましたとさ。
今は夕方。
そら君の講義が終わる時間は大体知ってる。
私が勉強して家に着いた30分後くらい。
なので今日は勉強を早く切り上げて来た。
大学と言う大きい建物に圧倒されながら
恐る恐る足を踏み入れていった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!