第24話

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1,040
2020/02/14 14:41
毎日毎日文化祭準備で動き続ける日々。

あなたはいつもこれ以上頑張ってると

思ったら尊敬しかないな。


夏休み前日。

お化け屋敷の小道具を今日のうちに

完成させないといけなかった。

ペンキに塗れながらも何とか完成したが、

終わったのは下校時間ギリギリ。

まふやうらさかには言っといたから大丈夫で

今日の帰りは1人だった。

汚れた手を洗ってチャイムが鳴る校舎を

ゆっくり歩く。

皆下校時間に間に合わせようと走ってるけど、

俺は疲れて走る気になれない。

案の定、ちょっと担任に捕まったりして

下校時間を少し過ぎて校門を出る。

するともう日が暮れて暗闇になった

俺の真反対からまふまふが走って来た。

周りは暗いし、まふの白髪は目立つけど

俺は目立たないのでまふは気付かなかった。

何となく気になって、ついていくことにした。


まふは足早に自分の教室に向かった。

あいつ、全く足音を立ててないのに早い…。

俺もまふを驚かしてやろうと静かに歩いた。

教室に入ってったのでドアの手前に立ったら
まふまふ
まふまふ
誰かいるの……?
なんて言うからバレたかと思ったら

まだ教室にあなたがいたみたいだった。

ドアの小窓からは2人の様子が殆ど見えない。

風穴から声が聞こえて来たので悪気はないが、

ちょっと盗み聞をすることにした。
まふまふ
まふまふ
〜〜。……でしょ?……
(なまえ)
あなた
~~~。それは……
ちょっと聞こえにくくて部分部分しか分からない。

とりあえず、まふがあなたに何か

伝えようとしてるのだけは分かった。
まふまふ
まふまふ
僕があなたを好きだから。
突如聞こえて来た内容に驚いて、

バレるかなんて気にせずドアに耳をくっつけた。
まふまふ
まふまふ
僕と、付き合ってくれませんか?
まふがあなたに告白してる…。

あなたの僅かに聞こえた声を頼りに

解釈すると、答えは先送りのようだ。

まふまふが近づいて来るのが見えたので

廊下の死角に隠れた。

まふにもあなたにも話しかける気になれず、

タイミングを見計らって1人で帰った。


夏休み。

俺も何か行動を起こそうと思った。

だからまふにL!NEで約束をした。

会うのは明日。

まふまふには俺の素直な気持ちと、

過去をしっかり話しておこうと思った。

まふと正々堂々、勝負をするために。

このままだとまふにあなたを取られる。

そんなの、嫌だ。


まふとあなたが幸せになるのを

後押ししたい気持ちも残ってる。

一度あなたを悲しませた俺だから、

また傷つけやしないか、って。

でもやっぱりいざ、告白を目にしたら

対抗心が燃えたぎった。

あなたを自分の手で幸せにしたくなった。

ごめんな、まふ。

俺だってあなたの隣に居たいんだ。

あの笑顔を、もう一度見たいんだ。


明日どう話そうかで頭が一杯になったが、

目を閉じていたらいつの間にか眠りについていた。

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