第25話

m I 5。
998
2020/02/16 11:26
夏休み。

あなたを誘って2人で花火大会や海……

なんて色々考えてたのに、

告白したせいでどーにも誘いづらい。

今年も皆とゲームをして

夏休みが終わっていくんだ…と

思ってたらそらるさんからL!NEが来た。
そらる
そらる
明日、暇?
早速遊びの誘いか?

暇してたから嬉しー!ってずっと暇じゃん。
まふまふ
まふまふ
暇です。明日、というか
夏休み毎日予定なんてないですよー‼︎
そらる
そらる
はいはい。
ちょっと話したいことがあってさ。
話したいこと?

ゲームじゃないのか。
まふまふ
まふまふ
どこで何を話すんですか?
そらる
そらる
んー。場所はどこでもいいよ。
話すことは長くなるから今は言えん。
何か深刻そうだなぁ……。

その後テキトーに話して明日の約束が決まった。

そらるさんにこんな風に誘われるの、

何か怖いんだけど。


そして次の日。

駅前のファミレスに向かった。

僕が行くとそらるさんは先に来ていた。
まふまふ
まふまふ
急に話って、何ですか?
荷物を置きながら僕は前置きなく本題に入る。
そらる
そらる
あなたのことで、
まふに言っておきたいことがあって。
まふまふ
まふまふ
あなたのこと?
そらるさんから出てきた話題は意外なものだった。

僕に言っておきたいこと……?
そらる
そらる
俺、お前に嘘ついてた。
応援するって言ったのに。
まふまふ
まふまふ
え……?
そらるさんは申し訳なさそうに目を伏せている。
そらる
そらる
……俺も、あなたが好きなんだ。
声色から分かる。

凄く悩んだんだって。

悩んで、僕に素直な気持ちを

ぶつけようとしてくれてるんだって。
そらる
そらる
後は過去の話。
簡単に言えば、あなたと俺は幼馴染。
小さい時から家が向かいで、遊んでた。
小、中とずっと仲が良かった。
それで俺が中学を卒業する時、
あなたに告白されたんだ。
割と冷静に、淡々と話すそらるさんは

しれっととんでもないことを言った。

…あなたに告られたああ⁉︎
そらる
そらる
そん時、俺もあなたが好きだった。
でも成り行きで付き合った彼女がいて、
一旦断ったんだ。
彼女を振ってからあなたに
俺から言い直そうと思って。
成り行きで付き合う、って

やっぱモテんだなーそらるさん。
そらる
そらる
だけどあなたは、俺が振ったからか
もう俺の顔すら見てくれなくなった。
話しかけても、避けられる。
そしたらまふがあなたに告ったんだ。
まふまふ
まふまふ
え……。
そらるさんがあなたとの関係に悩んでる時に

相談したり、告白したりってしたってこと?

事情を知らなかったとは言え……申し訳ないな。
そらる
そらる
最初はもうあなたを諦めて
2人を応援しようと決めたんだ。
でもやっぱり辛くて……あなたを
見守るうちに気持ちが膨らんでさ。
まふまふ
まふまふ
そう、だったんですね……。
相当悩んだんだろう。

そらるさんの綺麗な黒い瞳には

複雑な想いが映されていた。
そらる
そらる
ごめんな。
まふまふ
まふまふ
いやいや!僕もそらるさんの
気持ちに気付かずに
ベラベラ自分の話ばっかして……。
どっちも黙ってしまい、気まずい空気が流れる。

何か話さないと、と思って

気になったことを口にする。
まふまふ
まふまふ
あの………どーして急に、
僕に話そうと思ったんですか?
そらる
そらる
あー。悪気はなかったんだけど、
夏休み前のまふの告白、聞いてたんだ。
まふまふ
まふまふ
え"⁉︎
そらる
そらる
ちょっと遅くまで学校に残ってて。
学校に走ってくまふとすれ違って
何となく追いかけたらたまたま……。
聞かれてたのか……恥ずかし。
そらる
そらる
それで俺もそろそろ
行動起こさないとって…。
で、まふに何も言わずには
いられないなってなってさ。
まふまふ
まふまふ
そうですか…。
これから、どーするんですか?
そらる
そらる
俺もあなたに想いを伝えるよ。
文化祭の時に。まふに対する
宣戦布告みたいなもんになるけど。
さっきまでとは違って強い意志のある目と声。

いつものやる気のないそらるさんは何処へやら。
そらる
そらる
ほんと…………ごめん。
まふまふ
まふまふ
いえいえ!
…負けませんよ、そらるさん!
もう一度謝り、僕に頭を下げる

そらるさんを慌てて止めて、笑う。

今まで僕に沢山アドバイスをくれて、

あなたを助けていたそらるさん。

素直に気持ちをぶつけられたからには

ちゃんと返さなきゃ。

あなたを好きな気持ちは、負けたくない。

恩人であり、相棒のそらるさんは

恋のライバルになった。


その後、あなたの魅力を語り合ったりした後

遊びの約束をして別れた。

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