次の日。
あのクソ担任にやらされた仕事のせいで
すっかり寝不足だ。
中々開かない目を無理やりこじ開け、
学校の支度をする。
喉に詰まらせない程度に
高速で朝ご飯を食べ、家を飛び出した。
まふまふ君にはしばらく遅刻しがちに
なるだろうから別々に行こうと言った。
素直に仕事が山積みなことを話したら
彼は納得してくれた。
私は昼休みも仕事をしていた。
家でも作業をできる時間は限られているので
昼休みを返上しないと終わらない量だった。
まふまふ君が
とか、
と言うので「大丈夫だよ。」と返して、
気持ちだけ受け取っておくことにした。
心配してくれるだけで充分だ。
まふまふ君と話しながら地味な作業を繰り返す。
話した分時間がかかったけど、
おかげであまりツラく感じなかった。
そんなこんなで3日経った放課後。
担任に言われた期限内に終わらせられた。
帰る前に職員室に届けに行く。
私は大量の紙を渡す。
先生「おう。________……ん?」
担任は今日は機嫌が悪く、
貧乏揺すりをしながら書類に目を通していく。
書類をめぐる手が止まった。
先生「おい、ここ間違ってんだろ。
〜〜じゃなくて***‼︎」
急に声のトーンが下がり、自分の机を蹴飛ばす。
そして態度悪く座っている椅子を
クルリと回して私に書類とメモを突き付ける。
………間違えた。
劇での役と演者の間違い、
カフェでの材料の記入不足があった。
ボールペンで書くように言われていたので
消しゴムでは消せない。
私が紙をもらおうと手を伸ばすと
担任は紙をクシャクシャに丸めてゴミ箱に投げた。
先生「修正テープだと汚くなるだろうが!
書き直してこい、明日までに全部!」
無茶言うな。
何日も寝不足になりながら書いたんだぞ。
ここでちょっと直させてくれればいいだろ。
私は担任に頭を下げて職員室を出た。
アイツに何を言ったって無駄だ。
大人だし、仮にも教師だから
アイツの方が立場が上なんだ。
新しく渡されたこないだと同じ量の白紙を
握りしめる少し力を入れる。
シワができてはまた怒られるので
すぐに握りしめるのをやめてファイルにしまった。
なんとか笑顔を作って
まふまふ君の待つ靴箱に向かった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。