第16話

you 9。
1,112
2020/01/19 01:05
次の日。

あのクソ担任にやらされた仕事のせいで

すっかり寝不足だ。

中々開かない目を無理やりこじ開け、

学校の支度をする。

喉に詰まらせない程度に

高速で朝ご飯を食べ、家を飛び出した。

まふまふ君にはしばらく遅刻しがちに

なるだろうから別々に行こうと言った。

素直に仕事が山積みなことを話したら

彼は納得してくれた。


私は昼休みも仕事をしていた。

家でも作業をできる時間は限られているので

昼休みを返上しないと終わらない量だった。

まふまふ君が
まふまふ
まふまふ
手伝おうか?
とか、
まふまふ
まふまふ
アイツに文句言ってくる!
と言うので「大丈夫だよ。」と返して、

気持ちだけ受け取っておくことにした。

心配してくれるだけで充分だ。

まふまふ君と話しながら地味な作業を繰り返す。

話した分時間がかかったけど、

おかげであまりツラく感じなかった。


そんなこんなで3日経った放課後。

担任に言われた期限内に終わらせられた。

帰る前に職員室に届けに行く。
(なまえ)
あなた
先生、書類完成しました。
私は大量の紙を渡す。

先生「おう。________……ん?」

担任は今日は機嫌が悪く、

貧乏揺すりをしながら書類に目を通していく。

書類をめぐる手が止まった。
(なまえ)
あなた
どうか、しましたか。
先生「おい、ここ間違ってんだろ。
   〜〜じゃなくて***‼︎」

急に声のトーンが下がり、自分の机を蹴飛ばす。

そして態度悪く座っている椅子を

クルリと回して私に書類とメモを突き付ける。

………間違えた。

劇での役と演者の間違い、

カフェでの材料の記入不足があった。
(なまえ)
あなた
すみません。
修正テープで直します。
ボールペンで書くように言われていたので

消しゴムでは消せない。

私が紙をもらおうと手を伸ばすと

担任は紙をクシャクシャに丸めてゴミ箱に投げた。

先生「修正テープだと汚くなるだろうが!
   書き直してこい、明日までに全部!」

無茶言うな。

何日も寝不足になりながら書いたんだぞ。

ここでちょっと直させてくれればいいだろ。
(なまえ)
あなた
……はい、分かりました。
失礼しました。
私は担任に頭を下げて職員室を出た。

アイツに何を言ったって無駄だ。

大人だし、仮にも教師だから

アイツの方が立場が上なんだ。

新しく渡されたこないだと同じ量の白紙を

握りしめる少し力を入れる。

シワができてはまた怒られるので

すぐに握りしめるのをやめてファイルにしまった。


なんとか笑顔を作って

まふまふ君の待つ靴箱に向かった。

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