佐久間 side
: スタジオ
さっきふっかから連絡が来た。
内容を見ると出来ればそれから眼を逸らしたい事でしか無かった。
でもこうしてしまったのも、阿部ちゃんが一番しんどい筈のに俺が離れてどうする?。
そんな俺を変えたいから俺は近くに居ためめに内容を話した。
するとめめは手で口を隠すように抑えた。
その目は今にも泣き零れてしまいそうであった。
それを俺は宥めるだけで何もしてやれなかった。
本当に“シンメ”で合ってるのかななんてこの数時間で何回思い込んでしまったのだろう。
何度落ち込んで溜め息をついたかなんて覚えてすらいない。
でも俺よりも阿部ちゃんの方が疲れを溜め込んで泣きたいはずなのに、伝えたいはずなのに我慢させたりさせていたななんて思えば、自ら頬を平手打ちしていた。
なんで俺、めめのこと拒んでんの?。
なんでそんなに自分自身を痛みに追わさせたいの?。
数々の疑問が迫ってきた。
止めたくないはずの手はめめにグイッと引っ張られててぶっ叩くことすら許されなかった。
正気なんて一切無い。
俺が阿部ちゃんを追い詰めた事には変わりは無いから、。
めめが引っ張ていた腕をブンブンと振ると彼の身体ごと揺れていた。
勢いに任せた俺は、彼に気を掛けずひたすら振り回していると遂に手を離した。
荒れる呼吸。
俺はめめに抑え付けられるように、抱き締められた。
本当に情けないと思う。
そう言われては、コクっと素直に頷いては涙を流す顔を彼の懐に埋めた。
俺さ、決めてたのにさ今破っちゃうんだよね。
それは阿部ちゃんとの約束。
「悩み事とかあったら必ず話し合ったり相談し合う」
という俺ら“共通点0、両思い”のシンメとして決めた唯一の約束だった。
それを決めてから俺と阿部ちゃんは2人で話し合うことが多かった。
でもそれは加入組が入ってからピタリと止んだ。
俺はある日彼に話しかけた。
明らかに様子が変だったから。
連日遅くまで起きているのか隈までついている。
それも濃く、少しづつ広がっている気もしてくる。
その日も後から話そうと決めた。
俺は待った。
彼が戻ってくるまで。
でも帰ってこなかった。
不安と心配で頭いっぱいで合った。
そして今日出会えば不安とかが全て爆発したみたいであった。
俺がもっと早くから話し掛けたりしてたら、止めて居たら良かったなぁなんて思っていた。
今めめからそのような言葉を投げ掛けられ宥められている側で合った。
どっかのグループの揉め事かななんて容易いことを思っていた。
扉を開けるとそこに居たのは、
と、ふっかが小さく代弁してくれた。
とりあえず人目に付かないように部屋の中に入れた。
それでも話せなかった阿部ちゃんは、ふっかの服の袖を掴んでいた。
そんなふっかが代わりに話してくれた。
俺はすっと息を吸った。
それに合わせてめめもふっかも深呼吸をする。
………え?、
え、これはたまたま………だよね?。
皆一斉にそれも揃って、ほぼハモって謝罪って…、
………あれ?、なんか戻ってきてない?。
あの“暖かいいつもの雰囲気”に、
全員一斉に天井を見上げると、そこにあったのは___
“SnowMan全員のメンバーカラーの糸”がきつくきつく結ばれているものがヒラヒラと落ちてきていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!