第7話

幼馴染み⑦
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2020/09/05 07:18
あなた

ねえ、昔お兄ちゃんが着てたのでいい?

あなた

さとみ
え、ああ、うん
ころん
うわ、あらたのかよ…
新っていうのは、私のお兄ちゃん。
ちょっと……少し……いや、かなり変わっている。
今は大学に通うために寮に入っている。
あなた

部屋は……お兄ちゃんとお父さんの部屋でいい?

ころん
…いいけど
あなた

何?なにか不満?

さとみ
いや…別に
↑一緒に寝れなくてちょっと残念な二人
あなた

んじゃあ、先お風呂入って…

さとみ
は?!先はいるのはあなただろ!
あなた

へ?

ころん
そうだ、この家の家主だろ?
早くはいれ
ええ、そういうもんなんですか?
あなた

んじゃあ、お言葉に甘えて…

私はそういうとしぶしぶ風呂に向かった。
_______________________
【さとみside】
あなた

いやぁぁぁぁぁ!

俺ところんが(あなたの)Switchでゲームをしていると、風呂場の方から叫び声が上がった。
ころん
あなた!?
さとみ
まさか…何かあったのか!?
俺ところんは必死に走って風呂場に向かった。
するとそこには…
服を脱ぎかけているあなたが、風呂場のすぐ前の廊下でうずくまっていた。
さとみ
(ちよ、その格好…)
ころん
…何があった?
ころんは目をそらしながら聞く。
いやまあたしかに、目のやり場には困る。
あなた

いや、その、あの…

さとみ
はっきりいってくんね!?
あなた

じ、Gがでたの!

G…Gって…
ゴキブ…
さとみ
ころん、頼むわ
ころん
は、なんで僕?!
あなた

いやぁ、私もさとみもダメだし

ころん
僕だって嫌いだわ!
とかいっときながら、結局あなたの口車にのせられて退治することになったころん。
さとみ
(…がんば)
G退治セットを持って風呂場にはいるころん。
さとみ
えっと…とりあえずこれ着とけ
そういって俺はあなたにパーカーをかぶせた。
最初はキョトンとしていたあなただが、すぐに意味がわかったようにブワッと顔を赤くした。
あなた

あの、えと、これは違くて!びっくりしちゃってけして故意では…

さとみ
わかってるから。早く着ろ
俺が急かすと袖を通すあなた。
ブカブカなパーカーも結構かわいいな…とか考えているとこらんがビニール袋を手にして帰ってきた。
ころん
…殺ってきた
さとみ
おつかれー
あなた

ころんサンキュー!まじありがとう!

ころん
もっと感謝してくれてもよくないか?
そんなころんを笑ってスルーしたあなたは今度こそちゃんと風呂に入った。
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【あなたside】
私がお風呂から上がると、二人はUNOをしていた。
あなた

上がったよー

ころん
…もうGでてないよな?
あなた

大丈夫だってwww

笑いながらそういうと、ころんは不服そうにそっぽを向く。
雹もすっかりやんでいて、今は本降りの雨がザアザアと降ってるだけだ。
ころん
でもあなたが叫んだときは何事かと思ったよ
あなた

へ?

さとみ
いやまじビックリした。強盗入ったのかと思ったわ
あなた

そんなことある?

ころん
僕はなんかが落ちてきてあなたに当たったのかと思った
あなた

私さすがにそんなドジじゃない!

私がそう叫ぶと、二人は笑ってテレビを見始めた。
あなた

…あのさ

私が切り出すと二人は「ん?」といっても振り向いた。
あなた

…その、私のせいで料理したりG退治したり…迷惑かけて、ごめんね

ころん
は?別に気にしてねえよ
あなた

あと、その……心配してくれて、ありがと

私がそういうと、ころんとさとみは目をぱちくりさせたあとに顔を真っ赤にして下を向いた。
さとみ
…その笑顔反則だろ!しかもありがとうとか…ダメだろ
ころん
そんな顔されたら怒れねえじゃん!かわいいとかそういうレベル?
ぶつぶつと呟く二人に私は
あなた

なにてれてんのよ!

と照れ隠しのように笑った。






この物語は、私とこの最高の幼馴染みとの、青春ストーリーである。

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