<ころんside>
その日、珍しくさとみくんは風邪を引いて学校を休むこととなった。
【LIN○にて】
と言われてもなぁ。
正直、さとみくんは心配だけど。
あなたと二人は、少し楽しみでもあって。
僕は改めてその性格の悪さを実感した。
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【ころん宅前】
《ピンポーン》
僕がスマホを眺めているとインターホンがなった。
自分の部屋の窓からそとをみると、そとにはあなたが。
僕はそう言うと下に降りる。
玄関を出るとそとではいつも通りのあなたが待っていた。
僕は曖昧に返事をした。
…でも、あなたと夏目……
僕が話しかけると首をこてんと倒して聞き返してくるあなたに心臓を奪われそうになる。
でも。今はそんな場合じゃなくて。
あなたは心底驚いたような顔をするとうつむいて
と苦笑いして聞いてきた。
その笑った顔がとてもいたそうで。
僕はいたたまれなくなった。
でも。
夏目は責任感が強くて、あなたのこと大好きで
心配は死んでもかけたくないと思うし。
何より…
僕がぶつぶつと言っていると、なぜかあなたは微笑み出した。
…は?
うるせえ!と言って僕は前を歩き始めた。
でも、これってもしかして。
勘違い…されてないか?
別にそうと決まった訳じゃないけど。
もし、そうだとしたら。
僕はどうすれば良いんだろう?
『好きなのはお前だから!』とか言って告白するのか?
つか僕にそんな勇気あるのか?
でも、僕はずっと前からもう気づいている。
いつか腹を括らなきゃいけない、ってことを。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。