第13話

演劇部の事情⑥
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2020/09/23 08:20
あなた

んねえころん?

ころん
あ?なんだよ?
私はなるべく笑顔で近づくと、
あなた

演劇部……ずいぶん厳しかったけど?

ころん
さとみ
?なにそれ?
あなた

知らなかったとは、言わせんぞ?

さとみ
おいお前……あなたに何した?
ころんの顔は、恐怖の色に染まった。
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さとみ
おいお前……
あの演劇部に送り込まれたかよ!?
ころん
あ、『あの』?
あなた

厳しいってこと?

さとみ
いや……見上亜莉沙だよ
見上…亜莉沙!
ころん
みかみ…?誰だそれ、ジェルくんからも莉犬くんからも聞いてないよ?
あなた

あんた……ジェルたちの情報だけで私をあんなとこに突っ込んだの?

ころん
あんなとこって…
若干勢いに引いてるころん。
あなた

私別に運動苦手な訳じゃないの。
だけどあの量はきつかった!

さとみ
お前…
さとみに蔑まれるころん。
さとみ
…これは、報告案件だな
そう言って電話のかたちをした手をふると
ころん
は!?ちょっと待って!それだけは!
必死に止めようとするころんの態度に私は首をかしげた。
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夏目千芽
ころんあんた、やっていいことと悪いことがあるの。わ・か・る・か・な?
ころん
な!違うんだよ夏目!
あなた

いやなにも違いません

ころん
ちょ、あなた!
かなりびびりながらこっちを見るころん。
いや、今回は手助けせんぞ?
夏目千芽
まず、あなたに負担をかけすぎだと言う事をね……
莉犬
あの、何してるのころちゃん?
ころん
莉犬くん!?
いや待って、登場人物の入れ替わり立ち代わり!
夏目千芽
あーっと、確か隣のクラスの…
莉犬
ウンウン
夏目千芽
耳四つの…赤いやつ…
夏目千芽
あ!猫!名前に猫ついた気がする!
莉犬
違うから!犬だから!莉犬だから!
二人のやり取りにプッと吹き出す。
あなた

二人とも…賑やかだね!

夏目千芽
(あなたが、あなたが笑った~!)
ころん
(か、可愛い…)
莉犬
(二人とも顔が……いや、言わないでおこう)
いきなり顔を伏せる千芽ところんと、気まずそうな顔をする莉犬くん。
何をしているのか聞こうとした、その時
見上亜莉沙
あれ?莉犬じゃん!
見上亜莉沙
りーーいーーぬーー!
あー、マジすか?
そう来ます?
莉犬
あ、見上さん…
見上亜莉沙
だ・か・ら!
さんよびじゃなくていいって言ったじゃん~
よし、なんかようわからんが莉犬くんが気を引いてくれている!
今のうちに逃げて……
見上亜莉沙
あ!あなた!えっと~?あなたちゃん?
見上亜莉沙
たしか演劇に駆り出されてる女の子!
…神様、人生の死期を悟るとは、こういうことでしょうか?

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