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第2話

オンナノコin男子校
人生初のこくはくは、丁度いま、呆気なく惨敗しました。


どうも、宇乃です。


男子校の屋上で、女の子と面とむかいあってます。
瞳が、きらきらって輝いてるんです。
夕暮れ時の空を、映し出しているんです。


__俺は、それから目線を逸らす事なんてできなかった。
夕映え。
って、こういう意味だと思うんだ。
だけど、それもこの子が女の子でなければの話。
このまま、何分が経過したでしょうか…?
俺にも分かりません。
ただ、冬の冷たい風がびゅーびゅー吹く中で30分弱このままは流石にキツかった。
宇乃
………
話し掛けろ?無理なお願いです。


俺は女性恐怖症。軽いけど、怖いモンは怖いですよね…!?
…あの
沈黙を破ったのは、多分この学校の中で一番高いであろう彼女の声。
恐る恐る、といった感じの声色は、いままで聞いたことがなかった声。
宇乃
…っ!はいっ…?
これは、帰っても良い案件なのでしょうか…?
宇乃
は…?
クラスメイトなのに、何故か互いに敬語を使いだす。
宇乃
あ、えっ…と、あ、はい、構わない…です…っ
…はい。あの、ごめんなさい。えっ、と…明日からは、また、友達…で。あっ、それじゃあ、失礼します…
たかたかっ、とリノリウムとは違う音を立てる上履きは、俺のじゃない。
きっと俺らの心の中は、たかたかっ、じゃなくて。
きっと、先程の会話を文章に起こせば読点が満載に違いないのだろう。
そんなことを考えながら、俺は未だに早鐘を打っている心臓を鎮めるため、しゃがみこんだ。
ふと校門付近に目線が映れば、彼女がいままさに、校門を抜ける所だった。
ちらちらと、こちらを伺いながら。
俺は、女性恐怖症。
悠が女の子だと分かった瞬間に、握った拳に次々に冷や汗が浮かんでいた。
でも、視界にも入れることができない女の子を。
きっと彼女だけは、目に入れても痛くない。
そう思えたあの子を、絶対に離したくなかった。
いつの間にか、あの子のことを考えても冷や汗は出なくなって。
ごろん、と寝転がる余裕まで出てきてしまった。
そんでもって、俺は、グラウンドのサッカー部や野球部の部員達の声にかき消されつつ、こう宣言するんだ。
宇乃
絶対、離してやんない。
今度のたかたかっ、は軽快だった。
校門で待っていてくれた友達に怒られたけど。
「何でこんなにトイレ長いんだよ!」って。
それでも待っていてくれた何も知らない彼。
宇乃
ちょっと、ね。俺の人生変わったから。
どうしても分からないって顔をしている友達を、ちょこっとだけ揶揄ってやった。
上履きじゃないけど、ローファーだけど。
俺の足元は、まだたかたかっていってる。