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その日の夜
末「 痛っ、」
『 ごめんごめん、あとちょっとやから… 』
草「 末澤がいちばん派手にやったな笑 」
佐「 誠也くん1人で前行き過ぎなんすよ 」
『 できたっ、けどお風呂とかちょっと染みるかも 』
末「 ええよ、ありがとう 」
福「 あなた、手当上手いな 」
だって慣れてるもん。
というのも私のお兄ちゃんも関東の不良校に
在籍中で今は離れて暮らしてるものの
一緒に暮らしてた頃はよく怪我して帰る
お兄ちゃんの手当をしていた。
末「 へぇ、あなたお兄ちゃんおったやな 」
『 最近は会えてないんやけどね、』
正「 次俺もお願いしてええかな? 」
『 もちろんっ、』
お兄ちゃん今何してるんかな、
そういえばお兄ちゃんも高校入ってから
喧嘩してくるようになったなあ…
今は大学の人達と一緒にグループ組んでるん
やっけ…?
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優「 それ本名だよね? 」
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優「 松田あなたちゃん… 」
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その瞬間頭のつっかえが急に外れた。
『 思い出したっ!!!! 』
末「 何を? 」
『 今日来てた人達、私前にどっかで聞いた事
ある声やと思っててんけど、』
そうだ、聞いた事ある声とかやない。
毎週のように聞いてたし、見てた。
なんで忘れてたんやろ。
『 あの人たち多分お兄ちゃんが
よく可愛がってた後輩さんや!! 』
佐「 え、ホンマに? 」
『 絶対そう、自分でもなんですぐ思い出せへん
かったかわからんけど、言われてみれば
見覚えあるもん!! 』
小「 思わぬところと繋がったな… 」
正「 お兄さんのお名前は? 」
『 虎者高校3年 松田元太 現生徒会長
でも今は虎蛇大学の人達と一緒にいるって
聞いた。よくうちに来てたから顔と名前は
分かるんだ 』
末「 虎蛇大学って、あの? 」
草「 え、そこの妹やんな、」
佐「 てことは… 」
佐野くんが何か言いかけた時、私のスマホが
鳴った。
おばあちゃんと住んでた家からの電話だ。
『 もしもし… 』
元「 あ、もしもしあなた? 」
『 え、お兄ちゃんっ!? 』
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!