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2021/07/17

第3話

Diary-3-

お風呂を上がって、夕飯を食べ終わった私は、自分の部屋で本を読んでいた。

あ、ちなみに今読んでいるのは「吾輩は猫である」とか、「こころ」とかを書いた夏目漱石先生の、"三四郎"。

初めて読んだ時は「夏目漱石先生も恋愛小説なんて書くんだなぁ」って新鮮な気持ちになったんだよね…


"自分の世界と、現実の世界は一つ平面に並んでおりながら、どこも接触していない。そうして現実の世界は、かように動揺して、自分を置き去りにして行ってしまう。甚だ不安である。"

芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
その通り、ですよ…

その一文を見た瞬間、夏目先生と心がリンクした。

作家の人と心を共有出来るのも読書の醍醐味だよねぇ。
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
翔くん、今は何してるんだろ。

本を読んだりは…してないよね、絶対。

人って分かんないものだわ。

やっぱり人生は小説みたいにはいかない、ってことかぁ。

理想は理想。
現実は現実。

これが夏目漱石先生の言う、"どこも接触していない"ってことなのかなぁ。

そう自分なりに解釈すると、私は再び三四郎の世界へ目を移した。



ーちなみに、その時の翔くんがこちらー

太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
はぁぁ、疲れたー

今日は色々あったなー。

図書委員って、地味にハードかもしれない…

委員会選び失敗したかな…?

まあ、でも一葉ちゃんと仲良くなれたから良かったかな。

しばらくぼうっとしていると、妹の花菜カナがやって来た。

太宰 花菜<ダザイ カナ>
お兄ちゃん、遊ぼぉ〜
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
今日はちょっと無理かな。
また今度、遊ぼう?
太宰 花菜<ダザイ カナ>
やだぁ〜
今日がいい!
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
……しょうがないなぁ。
少しだけだぞー

わがままだけど妹、って可愛いよなぁ。

俺はそう思いつつ、先日7歳になったばかりの妹を自分の部屋から連れ出した。


しばらく花菜と遊んでいると、ふいに昼間の一葉ちゃんの言葉を思い出した。

芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
へへへ変な意味はないです!

面白かったなぁ。

つい表情筋が緩んでしまった。
太宰 花菜<ダザイ カナ>
おにーちゃん、なんで笑ってるの?
楽しいこと、あったの?
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
うん、あったよ。
太宰 花菜<ダザイ カナ>
聞きたーい!

数秒前まで人形へ向けられていたはずの目は、いつも間にか俺を食い入るように見つめていた。

太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
面白い子とお友達になったんだ。
太宰 花菜<ダザイ カナ>
それって、女の子?男の子?
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
女の子だよ。
太宰 花菜<ダザイ カナ>
女の子なの!?
会いたい!
今度連れてきて?
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
んー、お姉ちゃんがいいって言ったらね。
太宰 花菜<ダザイ カナ>
やったぁ!

まあ多分一葉ちゃんは無理って言うだろうけど…

今日初めて話した男の家に遊びに来たいなんて言う人なんて、居ないよな。


でも、一応聞いてみるか。

俺はそう決意し、少し眠たそうに瞼を開閉している花菜を部屋へと運んだのだった。