前の話
一覧へ
次の話

第1話

Diaryー1ー
62
2021/06/19 04:00

この状況、最高すぎる。

目の前には、同じクラスの太宰 翔だざい かける君。
その姿に見とれながら、私、芥川 一葉あくたがわ かずはは喜びを噛み締めていた。


やっぱり推ししか勝たんよねぇ。
私は、太宰君に対して恋心を抱いているわけじゃないから見てるだけで幸せだぁ。
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
マジで図書委員入って良かったぁ。
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
どうかした?

ひゃー、話しかけられちゃった!
どどど、どーしよ。

芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
だ、大丈夫ですっ
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
そっか!

そう言うと、太宰君は他の男子とふざけ始めた。

私はというとやっぱり彼から目が離せない。

あぁ、長い睫毛、二重の瞳。
神々しすぎて夢みたい。

芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
はぁ、尊い…

今まで見ているだけだった彼が目の前にいる……!
これって、小説的展開じゃん?

太宰君、私の大好きで尊敬してやまない太宰治先生と一緒の苗字だなんて!

これもう運命なのでは…
先生
じゃあ今から委員長決めるぞー
やりたい人挙手!

気まずい沈黙が流れる。
え、やりたい人いないの!?

先生
いないのかー。
じゃあ推薦でもいいぞ。

先生がそう言った瞬間、隣の席に座っていた女子が勢いよく手を上げる。

女子生徒
私!
芥川さんを推薦します!
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
うぇ!?
わ、私ぃ?
話したこともないんだけどな…?
まさか、てい良く作られた委員長ってこと!?

まあ、でも楽しそうかな…
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
あ、じゃあ私、やります
先生
そうか。
ありがとう!
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
は、はい。
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
せんせー
じゃあ俺、副委員長やってもいいですかー?
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
!?


ここここれはどういうことですかぁ!
少女マンガ!?
いや、これは現実…?

先生
おー、いいぞ!
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
じ、じゃあ、お願いします
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
やった!
同じクラスの方がきっと楽だもんね。

優しい…!
優しくてかっこいいなんて、もう暴力だと思うんですけどっ!
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
ありがとうッ!
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
いーえ。
楽しそうだしね!


そう言った太宰君は、歯を見せて笑った。

ッッずるい!
これで計算じゃないからあざといよなぁ。
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
えっと、じゃあ今日の議題は……

委員会終わり。
私は太宰君と共に先生に呼ばれていた。

先生
おー、2人ともありがとな。
委員長って堅苦しいイメージがあるのか全然やってくれないんだよ!
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
い、いえ。
楽しそうなので…

正確には"太宰君がいるから"楽しそう、なんだけどね。

太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
部活は普通に出ていいんですよね?
先生
ああ、もちろんだ。
好きなだけ打ち込んでいいぞー
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
よっしゃ!

先生が会議があるということでお開きになったその場で、私は名残惜しかったけれど、太宰君に背を向けようとした。

太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
あ、待って、芥川さん!
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
え?
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
あのさ、一緒に帰らない…?

い、一緒に帰ろう!?
おおおお誘いですかーーー!
これは答え一択だよね…!
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
もちろん!

図書委員になって、マジで良かった!
私は、少し先を行く太宰君の背中を追いかけるのだった。





作者
作者
初めまして、お久しぶりですっ!
作者の星羅詩織といいます!
図書委員って、敬遠してしまう人が多いんですかね…?
そんな図書委員のイメージを覆すキュンキュンなストーリーを書きたいと思ってます!
これを見れば皆さんもきっと図書委員に入りたくなるはずっ!(※大きく出ました)
良ければ宣伝、お気に入り登録よろしくお願いしますっ!
それでは。

プリ小説オーディオドラマ