.
晶哉 side
佐「 ああ、今日は雨やなあ、おはよ、朝やで? 」
『 んん…っ、』
佐「 どうしたん?いつもみたいにギュー
してくれへんの? 」
『 ん… 』
佐「 体調わるいん? 」
『 違う… 』
佐「 どうしたん? 」
寝てるあなたに目線を合わせる。
『 んん~… 』
佐「 言ってくれなわからんで? 」
急に不機嫌なあなた。
いつも俺にはそんなことないんやけどなあ。
______________
あなた side
言ってくれなわからへんで?って…
女の子の日なんて言えないわ、!!
ってイライラしてもしょうがないんだけど
どうやら収まりそうにない。
晶哉くんに八つ当たりするのも嫌やから
もう話さない一点張りすることにした。
佐「 どうしたん? 」
寝癖がついてる前髪を優しく撫でられる。
『 なんもない… 』
佐「 なんもないわけないやん、」
『 なんもないもん… 』
佐「 なんで隠すん? 」
『 隠してない、』
佐「 この前みたいに急に熱出たりしたら
心配なるし嫌やねん、」
『 大丈夫、』
佐「 大丈夫そうには見えへん 」
『 大丈夫っ、』
と、勢いよく布団を被る。
ぎゅっと目をつぶると聞こえてくるちょっと
悲しげな晶哉くんの声。
佐「 ほんなら先下行ってるで…? 」
『 … 』
ごめんね、晶哉くん。
でも、これ以上一緒にいたら
もっとあたってしまいそうな気がして、
耳に残ってる晶哉くんの悲しそうな声が
頭の中でリピートされる。
どんな顔してたか、想像つく。
言えばよかったかなとか、もっと他の
言い方なかったのかなとか考えてると自然と
涙が溢れてきた。
女の子って大変だ。
.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!