第2話

なんで私が?
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2018/12/29 14:04
『娘さんは小児がんです。』
と病院の先生から告げられた言葉。
なんで私が?
どうして?
そんな疑問の言葉ばかりが頭をよぎる。
高校の夏休み、私は39度以上の高熱を出した。
最初はちょっと重い風邪だろうとそんなに心配していなかった。
でも薬を飲んでも、寝ても、熱は下がらない。
心配したお母さんが病院に行こうと言ってくれた。
いろんな検査をした結果、小児がん。
原因はストレスや不安。
高校生になってクラス内でのいじめがあったからだと思う。
毎日が辛くて、学校になんて行きたいと思わなかった。
でもそんなことお母さんに言ったら迷惑かけちゃうから、「学校楽しい」なんて下手くそな嘘をついた。
でもあの日溜めないで言っていれば、こんなことにはならなかった。
もっとお母さん、お父さんを悲しませることになっちゃった。
バカだな、私。
『東京の良い病院で治療を受けるのをおすすめします。』
母『はい、ありがとうございました…。』
「ありがとうございました。」
お母さんの悲しい顔を見ながら、車に乗る。
絶対怒ってるよね。だって1番言わなきゃいけないこと、言ってないんだもん。
「お母さん、ごめんなさい。」
母『なんであなたが謝るの?あなたは悪くないんだからいいの。』
「え?」
それはとても意外だった。
母『ごめんね、迷惑かけちゃうって思ったんでしょ?それで言えなかったんだよね。』
私を分かってくれていて、本当に泣きそうになった。
母『これからはさ、いっぱい話してよ。大丈夫。迷惑なんてかかってないし、家族なんだからたっくさんかけていいんだよ。』
「うん…ありがとう。」
母『夏休み明ける前に東京に転校しようね。そこで、治療頑張って友達いっぱい作ればいいでしょ?』
「うん!」
東京に転校…。今からとてもワクワクしています。

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