時間とはとても早くすぎる
放課後なんてすぐ来てしまう
それに昼間深澤くんから連絡がきていて
'' 治ったよ!!!''
こんな軽い感じにきたがそんなはずがない
でも連絡がきた限りは
今日会うという約束は実行される
さすがに病み上がりの彼に歩かせるのは申し訳ない
本当は深澤くんの学校にいる姿が少し見たいという理由だが、病み上がりという理由を使って会いに行くことにした
『ほんとに大丈夫かなっ、』
少しずつ見えてきた男子校に変な緊張感が生まれる
今更だが今まで1回も男子校なんて来たことがない
……というか
女子校の生徒が男子校に来るなんて前代未聞だ
他校の制服がいるだけでも目立つのに
男子校に女子がいるんだからもっと目立っている
深澤くんが気づいてくれやすいように
校門で待っていると
あちらこちらから視線が向けられる
「誰の彼女?」………って全方向から聞こえてくる
深澤くんは周りからそう言われたら
どう思うのだろうか
彼は誰にでも優しい
だから余計に読めない
もうそろそろ来るだろうと思い、
連絡しようとしたその時
渡「なにしてんの?」
『えっ!?』
誰かが急に喋りかけて来たと
思ったら渡辺くんだった
スクールバッグを手に持ち、制服を着崩している
やっぱり渡辺くんは様になる
渡辺くんは深澤くんと違った緊張感があって
動揺が隠せない
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!