第41話

🏖
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2022/08/11 16:07
どんどんこちらに向かってきている深澤くんに
渡辺くんは嫌な顔をする。





『ねぇ…渡辺くん、』





渡「言われなくても、もう帰る」





その言葉に余計に胸がズキズキ痛む





『そうじゃなくてさっ、』





眉間にシワを寄せている渡辺くん





『今日の夜さ、あの公園来て』





渡「は?」





それは地元が同じ私たちなら絶対にわかる公園





『…ちゃんと話したいっ』





渡「…今更だな」





小馬鹿にされてもしょうがない





『それはホントに…ッ』





ごめん、って言いかけたけど寸前で止めた





渡「もう謝らないんだ」





そう厳しく指摘してくる渡辺くんは
隙なんて一切ない





『謝っても、解決しないんでしょ…?
…それならもう謝らないよ、』





強気に答えれば、渡辺くんは驚いた顔をした





渡「ほんと、勝手なやつだな…」





あまり渡辺くんは表情に出ないのに





渡「けど優先順位は俺が低いんだよな、」





もうそこまで来た深澤くんをチラッと見て
苦しそうな表情で言った





……なのに





深 )優先順位?そんなのねぇよっゴホッゴホッ





昨日より潰れた声で渡辺くんに答えた深澤くん





突然の発言で私も戸惑う





深 )俺ッ…このあとッゴホッ病院だもんッ……ゴホッ





渡「は、?」





『ちょっ、え?そうなの…?』





昨日の夜に放課後会いたいって言ってくれたのは
深澤くんの方なのに





深 )俺はっ会いたいってゴホッゴホッ…言っただけ
で…ゴホッ一緒に帰るとはッ言ってないよ…ゴホッ





つらそうな声でとんでもないことを言ってきた





するとそれに対して吹き出すように
笑い始めた渡辺くん





……渡辺くんが笑っているところなんて
何年ぶりに見たのだろうか





渡「それは想定外だわ、笑
意外と頭回ってんだな」





深 )だろッ?





右手にOKサインを出しているけど、全然分からない





『えっ、渡辺くん?!』





渡辺くんに急に腕を握られて混乱してしまう





渡「ほら、公園行くぞ」





『えっちょちょちょっ!!!』





深澤くんは笑顔で私にずっと手を振っていた。







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