深 )いや待ってっ…ほんとに大丈夫だからっ
また犠牲にしている…
『無理しないでよ、あとでまたかけ直すね』
もうこれで電話は切ろうと思ったのに
深 )待てっ切んなって!!
あなたちゃんの声聞きたかったんだって!!
深澤くんはサラッととんでもない言葉を私に投げかけてきた
変に期待させないで欲しい……
何もかもが読めない状況で
深 )少しでいいからあなたちゃんと喋りたい
私は単純だ
『…じゃあ、少しだけ…ね?
少しでもきつくなったら言ってね???』
そんな小さな気遣いをこっちがしても彼は
全く気づかないだろうけど
深 )うんっゴホッありがとッ……
今日はいいかなって。
深澤くんの変わらぬ雰囲気に安心してしまう
『話したいことがあったの…あと、相談?的なこともしたかったけど今じゃ無理な気がするんだけど、』
最後の最後に伺ってみた
もしかしたら今なら彼を休ませられる…って
深 )いや、大丈夫だからッ言っていいよっ?
でも無理だった。
深澤くんはほんとにずるい。
『で、でもっ』
深 )俺が聞きたいっ
話したいことをまとめようと思っても上手くまとまらない
『うん…あのね?、その』
また辺に喋ったら誤解を産んでしまうかもしれない
だから先に誤解を解かなくては……
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。