小山さんは、その後も何度か店に足を運んでくれた。
そのたびに私はママと手を取り合って喜んだ。パパは相変わらずその光景を見るたびにムスッとしてるけど笑
ヤバイ。ママが小山さんにメロメロになってる笑
このままじゃパパの嫉妬が頂点に達しそうだから早いうちにママを退散させなければ…。
私は駄々をこねるママを何とか退散させて、小山さんのもとに戻った。
その後、いつもどうり小山さんは料理を注文し、美味しそうに食べて帰ろうとした。
帰る間際に小山さんは私に向かって
と言って手を振ってくれたので私も笑顔で振り返した。
その日の夜の閉店後、いつものように店の上の階にある家のリビングで、家族で食卓を囲み、夕食を食べていた。
私がポロッと小山さんの話題を出してしまったことで、パパは突然顔をしかめた。
と言うとママはパパにキスをした。
娘としては、目の前でキスを見せられてる娘の気持ちを少しは考えろよ!と思った。
と少し照れた顔でパパは言った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!