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全身が熱くて気だるい。
指をピクリと動かすのも億劫なくらい
辛いなんて、生まれて初めてだ。
…こんなことになるなら
お母さんの言うとおり、
もっと早く病院に行けばよかった。
熱に浮かされて目を開けていることも
ままならずに、
ぐったりとベッドに横たわったまま動けない。
高熱のせいか、体がフワフワ
浮いているような感じがした。
ぼんやりする頭に、優しい看護師さんの
声が聞こえてきた。
だけど、返事をすることができない。
それぐらい弱ってしまっていた。
気を抜くと意識が飛んでいっちゃいそう
突然言われて、腕に力が入る。
その直後、鋭い痛みが走った。
ううっ。
朦朧とする中、なんとか意識を保ちながら
小さくうなずく。
だけど、看護師さんがいなくなったあと、
緊張の糸が切れたのか、突然プツリと
意識が途絶えた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!