「月夜君!よろしく!」
「ああ、よろしくな」
そうたわいもない話をしていると
キーンコーンカーンコーン
「やばい!やばい!早く入学式行かないと!間に合わなくなっちゃう!」
そう言って、神久夜は俺の手を握った。
何とか、入学式には間に合った。
そして、おれはクラスへと向かった。
クラスに行くと上級生が席まで誘導してくれる。そうして、俺は席に着いた。
深呼吸をして、落ち着くと、周りを見渡した。見渡すと、皆、緊張のせいで余り喋れないでいた。しかも、周りは知らない奴らだらけ、余計に喋りにくいであろう。
そんな俺の隣は、そう、神久夜だ。
そう思っていたら。担任と思われる教師が入ってきた。
「初めまして、皆さん。入学おめでとうございます!」
その教師は、身長180cm、スタイル抜群、20代前半オマケにイケメンときた。そんな教師に、クラスの女子はほとんど惚れただろう。
「とりあえず、皆さん緊張しているだろうから、自己紹介をしよう!!」
入学式には必ずある恒例行事が、始まった。
皆緊張しながら自己紹介をしていた。
そうしていると、神久夜の番がきた。
俺は少しわくわくしていた。それは、あんなに横暴な態度を取った神久夜がどんな風に自己紹介するのか気になっていたからだ。
「皆さんこんにちは、夢見神久夜です。私はこれといった特技はないのですが、皆さんのお役に立てると嬉しいです!よろしくお願いします!」
それは、俺の知っている神久夜とは違かった。
あの神久夜が、こんなにも清楚系女子のようになっていた。
そんな俺はお構い無しに、クラスの男子は神久夜に釘付けになっていた。
そうして、自己紹介が終わり、休憩時間になった頃。
神久夜の席にはすごい人集りができていた。
ほとんどは、神久夜狙いの奴らばかりだろう。
そんな奴らに対して神久夜は笑顔で受け答えをしていた。
だが、神久夜は思わぬことを言った。
「皆さんが、私を狙っているならやめておいた方がいいでしょう。」
男子たちが、首を傾げた。
その次の瞬間、男子達の目は俺に向けられるのであった。
「なにせ、隣りの方は私の彼氏ですから」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。