👧「 呼んできてあげたよっ!! 」
そう言う彼女は悪魔にしか見えない。
私は顔を上にあげることすら出来ない。
きっと、今顔をあげると大変なことになるだろう。
そうじみん君が彼女に聞く。
いつもとは違う、少し低い声で。
👧「 この子はあなたちゃん!! 」
👧「 じみん君と同じ高校の!! 」
きっと今のじみん君は、
下を向いている私を見ているだろう。
こういう時ってどうすればいいんだ?
私は何も出来ない。
今のじみん君が怖いんだと思う。
というか、怖い。
私が知らないじみん君を知ることが。
“ 怖いんだ “
「 じみな〜 」
フロアの奥からそんな声が聞こえる。
そして、じみん君が走っていった。
その瞬間、私は勢いよく顔をあげる。
今名前を呼んでくれた人を感謝しよう。
そう心から思う。
でも、その人の正体を知った時、
私は崩れ落ちるだろう。
まさか、あの人がここにいるとは思わないから .
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。