あの後、直ぐに駆けつけた悟におんぶされて
ただ今、学長の元に強制連行され中
そう言って、悟の首に回した腕に力を入れ直すと、自然と私の足に回る悟の腕にも力が入り直した気がする
ただ、その優しさとは裏腹に
さっきから返事が素っ気なすぎる
、、、、、、、
「 眉毛から ま〜!湯気 」
、、、、、、、、
おい、この空気どうしてくれんだ()
数分の沈黙の後( 流石の鋼の心も折れた )、着いたのは、学長室じゃなくて、私の部屋の前
ズカズカと入っていき、そのままベットに降ろされた
さっきから1ミリも笑わない悟の雰囲気がもう一段階怖くなった気がして、背中を伸ばす
少し考え込む素振りを見せて、「 あーそれと 、」と話し始めた
悟の目は真剣で、嘘を着いてもバレると思って
気づいたら、本当のことを話していた
ただ、本音が全部溢れてくる
悟にそんな顔をさせることだって
全部想像するのは容易だった
それでも、そんなことをどうでもいいと思ってしまうほど
すず花ちゃんに触れる寸前の真人の顔が
殺される寸前のすず花ちゃんの助けを懇願する目が
、、胸を締め付ける
今まで助けられなかった人達の、
実兄が殺した人達の、
私を睨む目が、ずーっと、頭から離れない
体のどこからか、ズキッ、と音が鳴る
それと同時に痺れる
___ 心が、壊れちゃいそうなくらい痛い
こんなの、初めてだ
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。