"強い人" は嫌いだ
カッコつけようとするから
どんなに苦しくても、ひとりで抱えようとするから
でも、それ以上に "弱い人" は大っ嫌いだ
"強い人" を "強い" って勘違いするから
守られて当たり前って思ってるから
...だから、"強い人" が錯覚するんだ
"皆を守らないといけない" って
"自分がどうにかしなきゃいけないんだ" って
『なんで傑は、弱い人なんかのために命をかけるのか』
本当に素朴な疑問だった
義務教育前の子どもに、何難しいこと言ってんだよって今は思う
この時、3、4歳だった私には、話の意味なんて分からなくて
ただただ、目の前で笑うお兄ちゃんがかっこいいと思った
もっと早く呪術師になってれば、
呪術を扱うことが出来れば、
祓う 取り込む それを無限に繰り返していくことも、
呪霊の気持ち悪い味も、
少しだけ共有できたかなって、
私だけでも分かってあげれたかなって....
今更、考えたところで意味の無いことばかりが頭を支配する
頭を支配されると、心臓が誰かに掴まれたみたいに痛く苦しくなって、
全身が痺れる感じがするんだ
だから、そんなに怒られても困る
だって、めんどくさいじゃん
もういい加減、私に傑のことを思い出させんな
私の中の傑を壊すな
___私の心にいる傑はずっとずっと、かっこいいお兄ちゃんなんだ
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。