Haechan side
バァァァァァン
自分の体を取り戻すと、半透明のロンジュナが目の前にいた。
あははやっぱりきよお。
きよお。
元は貴方も人間ですよって言いたかったけど、なんかこのくだり2回目かなとか思って言わなかった。
時計を見ると、もう23時になってた。
時が経つの早いぜ………。
ロンジュナに、おやすみ と一声かけて、ベットに潜り込む。
しかし俺は寝ない。
実は言うと、少し前からロンジュナについて調べてみたいと言う気持ちがあった。
事故で亡くなったと聞いたから、ニュースを調べてみれば何か見つかるかも知れない、と思った。
息苦しい布団の中で、スマホを開く。
吐息で曇ってしまう画面を度々拭きながら、色々調べてみた。
すると、1つの記事を見つけた。
〈2019年11月11日 ++道で高校生男子轢かれる
今日夕方、##県 ++道で高校生男子1人が車に轢かれる事故があった。事故現場は木々に囲まれている峠道で、見通しは良くない。原因は車の運転手のわき見運転。〉
そこには、生々しい事故の様子や、原因がずらりと書かれていた。
そして、被害者の情報も書かれてた。
〈ドゥリム高校 3年 ファン ロンジュン
鬱病を患っていたファンさん。加害者の運転手は、「ぶつかる直前、笑っているように見えた。」と話している。〉
鬱病。
ロンジュナは事故当時、精神障害を患っていた。
知らなかった。
俺と話す時は、いつも可愛い笑顔で笑っているのにっ…
なんで?
学校で何かあったのかな?
てかそもそもあんな山道に1人で行ったの?
もしかして………
様々な疑問が頭の中を埋めていく。
記事に載っているロンジュナの学生証の写真は、黒いクマを目の下に作りながら笑っていた。
_____
つづく
今回暗い&短いかも…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!