やめろ。俺はその名前が嫌いなんだ。
………。
違う。1週間と5日だ。
……俺が少女を押して、お前が少女を助けた。
それで、終わりだ。
は?
そんなもの覚えてない。
そんなわけねぇだろ。
相変わらず変だな。
そもそも無限なんてものは存在しない。
ない。
………。
そんなわけない。
過去は変わらない。
何も変化がないのに何故変わるんだ。
全てがまったく一緒なのに、何故変わるんだ。
お前の言ってるのは、無限じゃない。無限大だ。
無限大はある限り無限に増える。
でもな過去が変わることは無いんだよ。
無いものは無いんだよ。増やすことも造ることもできない。
何も無いからな。
じゃあな…。
少女が還ってきたらまたいつも通り、少女の言ってることを説明する。
ただそれだけだ。
それだけを俺は無限に繰り返すんだよ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!