第11話

ヒーロー
92
2018/06/20 09:05
ダンッ!!













































陽向
…………翔君っ…!
翔君が、男を木に叩きつけているのが見えた。









────てめぇ…!…俺の……








































俺の陽向に何してんだ!!!!
陽向
…………へ…?
…翔……君…?



な……何…を……?
…何だお前…殺られたいわけ?
ふん…上等だぜ…
翔君がそう言った途端、男達が翔君に飛びかかった────!





陽向
翔君っ!
私は思わず目をつぶってしまった。












































……目をつぶっていたのは数秒ほどのことだったのに、もう静かになっていた。




私が恐る恐る目を開けると…
陽向
男達が全員地面に倒れていた。










翔君は────無傷だった…
私がポカンとしていると、翔君は、ようやく目を開けた私に気付いたのか真っ青な顔でやってきた。
大丈夫か!?陽向!!
陽向
……あ…えと…その…
怪我したのか!?
陽向
…人混みに飲まれて……足をくじいちゃって…
私がそこまで言うと翔君はさらに真っ青になった。
ごめん!!俺が陽向と離れたばっかりに…すぐ、気付けば良かった…本当にごめん…
陽向
…私は……!だっ大丈夫だから…!気にしないでいいよ…!
私がそう言うと、翔君は背中を見せしゃがんだ。
陽向
…………?
…このままじゃ、俺の気がすまないし…落ち着ける場所まで運ぶよ
陽向
えぇ!?そ、そんなっ!もっ申し訳ないよ!
いいから
翔君の真剣な声に、私は渋々頷き…
陽向
…ありがとう
翔君の背中に乗せてもらった。

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