午後6時50分。
俺は一足先に集合場所へ来ていた。
…いや、一足先にじゃない。
集合時間の30分も前からここへ来ていた。
楽しみすぎて待っていられなかったのだ。
俺が1人でうずうずしていると…
後ろから声が聞こえた。
俺が後ろを振り向くと────
ドキンッ
今まで以上に高らかに胸が鳴った。
その訳は────陽向の浴衣姿があまりにも可愛かったからだ。
────白地の生地に真っ青な朝顔が描かれ、淡いピンクの帯を締め、髪を…編み込みっていうのか?それをさらにまとめた感じにしていた。
俺がポツリとつぶやいた言葉が聞こえてしまったのか陽向は真っ赤になってしまった。
俺がそう言うと陽向は
と言い、さらに真っ赤になってしまった。
陽太さんが近づいてきた。
陽太さんはそう言うと、俺の肩をポンと叩いた。
俺は力強くそう答えた。
超がつくほどご機嫌な様子の陽葵さんを見たら、俺は頷くしかなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。