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2019/04/01

第33話

後悔
そして、朝が来る。


憂鬱な気持ちなのに空は快晴。
いつもより早く起きて着替えて準備をする。


今日は一学期最後の日。


終業式。
あ、30分も余ったなぁ…


時間…


普通だったら玲於の部屋行ってゴロゴロしてるんだろうな。


いつからこんな私はネガティブになったのだろうか。


玲於に彼女が出来てからかな。
ふと下を見た時、棚の隙間に挟まる写真を見つけた。
あなた

ん?

棚と壁で挟まれるその写真を引っ張ると
あなた

海…じゃん。

逆光の二つの影。


幼い二人が手を繋いで立っている。


端には大きな岩。


ちょっとハートにも見えなくもない。
綺麗。


パッと写真を見た時そう思った。
玲於と私だろうか。


昔の…写真。
少しずつ力が加わる。


写真の端が少しだけ歪む。
ポケットにしまい、ちょうどいい時間になって外に出る。


するとそこに、涼太くんがインターホンを押そうとしていた。
あなた

涼太くん…

涼太
あなたちゃん、おはよ。
あなた

お…はよ?

ぎこちなくて上手く笑えないのに涼太くんは


平気な顔して私に挨拶をしてきた。


慣れてる…?
涼太
今日早くない?
あなた

ん ~ 、ちょっとね?

涼太
行こ!
あなた

うん。

いつもと変わらない涼太くんに違和感を覚えていた。
いつも通りに接して私は涼太くんと話してるつもり。
気まずくならないようにできるだけ


リア充を見たり、玲於の話はしないようにしていた。
なのに
涼太
あなたちゃん、気まずく思ってるでしょ?
あなた

ふぇ!?

涼太
何それ…笑
咄嗟にでた声に笑われた。


…バレてる、
あなた

ちょっと…ごめん。

涼太
ふっ、そんな所も好き。
益々、涼太くんの思いがわからなくなる。     


慣れでそう言ってるのか、私の経験が浅いのか…


そんなの一択に決まってる。


私の経験が浅い。
あなた

…からかわないで。

涼太
本気だよ、言ったじゃん。
あなた

…でもっ、

涼太
返事はさ、遊びに行った時の帰りに聞く!
それまでは俺の事考えててほしいから。
涼太くん、かなりのS。
あなた

あぁ、分かった。

なんとも言えない圧が私を押す。
.
今日は涼太くんは委員会があるらしくて胡音と一緒に帰る。
あなた

胡音 ~ 、助けてよ!

胡音
自分で決めなって言ったじゃん。
あなた

決めらんないの!

胡音
つまり、片寄も恋愛対象に入ってるってこと?
あなた

え?

確かに…


決めらんない


ってことは…涼太くんも!?


いや、違う違う!!


ただ、玲於を諦めるって言ってて、それでも諦められないから


涼太くんに…


って都合良すぎるか…
胡音
何その険しい顔!
あなた

もう、頭パンクしてくる。

胡音
可愛いお顔が台無しだぞ!
あなた

…ねぇ、胡音…?

胡音
なに?
あなた

昨日ね、玲於と喧嘩しちゃったの…

胡音
うん。
あなた

玲於、もう私のこと嫌いになったかも。

胡音
あなたはなんて言ったの?
あなた

…言ったっていうより態度…かな。

胡音
冷たくしちゃったのか。
あなた

うん…もうどうしよう。

胡音
片寄の名前だしたりした?
あなた

あ ~ 、うん…
告白されたばっかだったから
涼太くんも変なこと言い出すし…って。

胡音
あらら…
胡音はニヤニヤしだす。
あなた

なに!ら

胡音
あなた、それちょっと期待していいと思うよ。
あなた

期待…?

胡音
ソルトに期待してみるのもいいよ?
あなた

期待も何も…もう無理じゃん ~ 。

胡音
それがあるんだなぁ。
あなた

ねぇ、胡音の言うことわかんない!

胡音
わかんないだろうねぇ、
あなた

もう!

胡音
ソルトも馬鹿だなぁ…
玲於は馬鹿じゃない…


私よりも頭が良くて、考えることも大人で…


何もかも私は玲於の下。


馬鹿なわけない。
あなた

玲於…頭良いよ。

胡音
頭が良くてもわかんないことだってあるよ。
あなた

そんなの…ないよ。

胡音
まだ、わかんないかぁ、あなたちゃんは。
あなた

…わかんない。

胡音
ん、だろうねぇ。
と言っても、あと2日経てば別荘でお泊まり…


あ ~ 、すごく気まずいなぁ。
胡音
今日泊まりに来る?
あなた

え!

胡音
いろいろ話しな!
私が聞いてあげるから。
あなた

胡音 ~ !

ほんとにいい友達だなぁ。


私は何もしてあげれてないのに…


してあげたいけど、思いつかない…


あ、胡音アレが好きか!
その日は家に直行してお泊まりの準備。


何持っていこうかなぁ。


そう考えていた時。
ママ
あ、あなた、玲於くんにこれ渡しといて。
部屋に入ってきたママ。
あなた

何これ?

ママ
なんか片付けしてたら出てきた箱。
小さくて私の手のひらに収まるくらいの正方形の箱。


なんだろ。


小さい子が書いた字で あけないで と書いてある。
あなた

分かった ~ 。

ママ
ねぇ、最近、玲於くんと仲悪いの?
あなた

え?

ママ
一緒に帰ったりしてないじゃん?
あなた

…だって玲於には彼女いるんだよ?
一緒に帰れるわけないじゃ ~ ん!

ママ
そうだけどさ、全然部屋に来なくなったし…
あなた

ママが心配するほど私達不仲じゃないよ!
逆だよ!逆!仲良すぎて来なくなった!
ずっと会ってるからかなぁ。

必死で笑顔で振舞った。


…こんなの嘘に決まってるけど、仕方ない。
ママ
…後悔しちゃ遅いのよ?
ボソッと呟いて出ていったママ。
分かってるよ。


後悔なんか傷つくより痛くて苦しい。


けど、もう…遅いんだよ。
ミーンミーンとベランダから聞こえる蝉の声。


その向こうには、光が漏れた玲於の部屋。


さすがに、会いたいよ…。