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2019/03/30

第32話

気持ちの矛盾
玲於から逃げるように玄関に入った。


大きく息を吸って吐く。


繰り返す。


顔見るだけであの光景が頭で再生される。


嫌だから見たくないのに。


けど、仕方ない。


幼馴染。
自分に言い聞かせて靴を脱ごうとした時。
後ろからガチャっとドアが開いた音がする。
あなた

玲於
なに、態度うぜぇ。
パッと手首を掴まれた。


意味わかんない。


なんで私が起こられてるの。


怒られることなんかしてないし。
玲於
俺に不満でもあんの。
明らかにイライラし始める玲於。


不満…?


大有だよ!


たっっっっくさんある。


両方の指に収まりきらないほど。
あなた

…あるよ。

玲於
は?
あなた

数えきれない…よ…。

玲於
なんだよ。
あなた

なんで…そんなにかっこいいの。

玲於
は?
あなた

なんでそんなに優しくしたりするの。

玲於
そんなのお前のこと思ってるからだろ。
あなた

私が居たって玲於には先輩がいるじゃん。

玲於
…そうだけど
あなた

なんで付き合ってんの!!!
私はずっと大好きなのになんで先輩なの。
もう、嫌なの。私だけがなんで
こんな辛い思いしなきゃいけないの。

玲於
おい…
あなた

もう嫌!何もかも嫌。
涼太くんも変なこと言い出すし…玲於もっ…!

危ない…


言ってしまうところだった。
玲於
涼太と俺がなに…
あなた

ううん…なんでもない。

やはり玲於は涼太くんの名前を出すとちょっと不機嫌になる。
玲於は私の手をゆっくり離す。


離れて欲しくない──────。
無言で玲於は玄関を出ていった。


…訳わかんない。
玲於がいなくなった瞬間、線が切れたかのように


目からはたくさんの涙が零れてくる。
その場に座り込んで手の平で目を擦る。
あなた

ううっ…

今日はお母さんがいない。


仕事でちょっと遅くなるとか。


そんな生活は慣れているから別にどうってことないんだけど、


いつもなら私の部屋に来る玲於が来ない。


すごく寂しい。
あなた

玲於 ~ …

なんて部屋から呼んでみるけどカーテンは開かない。
…あ ~ 、あんなこと言って後悔。


けど、もう好きじゃない…からっ…


その前に涼太くんの返事考えないと!!
私のこと…好きって…


急いで胡音に電話。


prrrrrrrrrr…


「 胡音!ちょっと聞いて! 」


胡音 「 なに? 」


「 涼太くんが私のこと好きって言ってくれたの 」


胡音 「 あ ~ 、ほんと? 」


「 どうすればいい? 」


胡音 「 どうって…そんなのあなたが決めることじゃん 」


「 でも、どうしていいかわかんない… 」


胡音 「 玲於は? 」


「 え? 」


胡音 「 玲於のこと好きじゃないの? 」


「 もう、諦める 」


胡音 「 ほんとにいいの? 」


そういう胡音の話し方が優しくて…


どこか私に決心をつけようとしてくれてるようで
嫌だよ…


私、ずっと玲於が好きだった。


小さい頃からずっと。


でも、もう玲於は私だけのものじゃなくなった。


先輩の…彼氏…


「 嫌だ… 」


胡音 「 あなたの気持ちがどっちなのか考えて答えだしな? 」


「 うん… 」


私の気持ち…か…


今どっちに向いてるのかな。


涼太くん?


玲於?


玲於の方が確率は高い。


けど、涼太くんも…


欲張りな気持ちばかり膨らむ一方。


「 胡音、ありがと。 」


胡音 「 いつでも相談のるよ 」


「 うん…!あ、今日本当にごめんね。 」


胡音 「 気にしないで、あんなの見せられて
平然で居られる人の方が珍しいから。 」


「 あ ~ 、蘇ってきた… 」


胡音 「 あらま 」


今日は胡音と話して夜を過ごした。
10時を回った時。
胡音が寝るらしくて電話を切った。
シーンと静まり返る部屋。


隣にはカーテンの隙間から灯りがこぼれる玲於の部屋。


…行きたい。


玲於の顔が見たい…
自分の気持ちが矛盾してる。
会いたくないのに…会いたい。
睨まれて無視されるのわかってるのに


会いたくて仕方ない。
行って仲直りしようかな。


ごめん


そう言えばいい?


1歩踏み出したけど…やっぱ私にはそんな勇気はない。
カーテンを、閉めて明かりを消した。
チッチッチッチッ…


と時計の針が動く音。
そんな時、雨の日玲於が側にいてくれたことをふと思い出す。


優しかった。


私の頭を撫でてくれて 大丈夫 って…
思い出すだけでにやけるが、思い出すだけで悲しくなる。