部屋に入ってソワソワして玲於を待っていた。
箸の細かい向きや、きれいに机を拭いたりしている。
ママには不思議がられたけど玲於のことを好きって言うのは
嫌なほど分からせてるからいいの。
玲於の分の食器や箸を片付けようとした時。
ドタドタと私の部屋から降りてくる足音。
これはっ…!?
勢いよくドアを開けると玲於がびっくりしたように
ドアの向こうに立っていた。
玲於は私と態度が一変し、私のママには礼儀正しく
ご馳走になります
って言うの。
玲於、かっこいいからママもママじゃなくなってる。
ダメダメ、玲於は私の。
いや、まだ私のじゃない笑
私と玲於は席について手を合わせた。
うう、私服にやられる…
昔から見てきた私服なのにより一層かっこよく見える。
す ~ ぐ、ママに助けを求めるんだから。
苦笑い辞めてよ!
もう、素直にもちろん!って言ってくれればいいのに。
それから黙々と唐揚げを口に詰めて幸せそうな顔を
ちょっとだけ零す。
その瞬間がもう、尋常じゃないほど私の心を跳ねさせる。
突然な(当たり前)の告白にビクッとするが
と流される、
ま、慣れてるけど…
こんな告白をしだしたのは最近のことじゃないし。
最初に告白したのは中一の時だったかな。
今みたいに一緒に帰っていた時、言った。
けど、玲於は
" 1番大事な友達としてだろ? "
と、笑って言った。
私はそこで 違う と言っていたら伝わったのか
意気地無しの根性無しの性格が勝ち、
" うん、大好きな友達だよ "
そう言ってしまった。
と、目を細めて笑ってんの。
その笑顔に何度か私は救われたのか。
私まで自然に笑顔になれるんだ。
今日も私の部屋から入ってきたんだな。
私の部屋にあげさせて玲於は私の家でくつろぐ。
私のベッドの上で大の字で寝転がる。
うう…かわいい。
プリっとしたお尻も愛おしい。
カバンからノート達を取り出して机に出す。
床に座ってシャーペンを握り始める。
明日、単元…か。
最悪。
玲於がニヤニヤしだした条件とは
腰のマッサージだって。
玲於がうつ伏せでその上に私が乗り指を使って
腰を押していく。
ちょっと…恥ずかしい感じもするが玲於気にしてないし…
その声が私を高鳴らせる。
男らしい声。
変な感覚。
布団で籠る声にビックリ。
急に起き上がる玲於。
私は体制を崩して床にころげおちる。
ドスッと床に転倒。
最悪…
勉強をするため、床に座るとその前に玲於が座る。
こんな至近距離緊張して勉強出来ない。
私の気持ちを知ってもう一度説明してくれる。
どんなけ優しいんだよ!
ばかやろー。
こんなんじゃ玲於に申し訳ない。
真剣に玲於の説明を聞いた。
また、私のベッドに飛び乗る。
携帯を上にあげて見てる。
私の気持ちを知らずに…ほんとに、
宿題を片付けているとスースーと音が聞こえる。
反応はなく壁を向いて寝てるし…
あ ~ 、可愛い。
可愛すぎる。
ノートに、玲於の字がいくつもあってわかりやすく書いてある。
それを見返すだでも気持ちがドキドキする。
私、相当玲於に浸ってんなぁ。
幼馴染なんて嫌だな。
幼馴染で良かった。
そんな真逆な思いが交差するなかいつでも平行な関係。
玲於とはどんな関係でもずっと一緒にいたい存在だ。
玲於の寝返った顔を見ながら呟いた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。