あれから雨もやんだから自分の部屋に戻る。
ご飯も食べてお風呂も入った。
寝るばっかりにしてベッドに寝転がって携帯を見る。
暑くて、ベランダを開けっぱなしにした。
インスタをずっとスクロールしていたら
一瞬、目に止まった動画があった。
タップすると
その動画には楽しく踊る玲於。
かっこよくてキレがあって
普段では見れない玲於の様子。
その動画の関連を見ていると玲於がたくさん出てきて
ずっとそれを見ていた。
かっこいい…
それを見てるだけで顔が火照ってくる。
なんでこうもかっこいいの?
ベッドでバタバタしてると
私は瞬時に携帯を伏せた。
不用心だなぁって、ベッドにもたれて床に座る。
部屋着にきゅんとときめく。
なんていって、また思い出して笑ってる横顔。
あ ~ あ…こんな馬鹿にされてる時も
好きだなぁ
って思ってしまう。
その笑顔を見てるだけで幸せなの。
事実だ。
玲於がブスでデブでバカだったらこんな好きにならなかった。
ホントそうだ。
何してもかっこいいし時に可愛いんだもん。
あ、たまにビビリな所もまた萌えるのね。
俺って罪な男だな。
って私のふくらはぎを枕にして頭を乗っけてきた。
え?
やばいよ?普通に。
無理無理無理!
死んじゃう!
玲於の乾かしそこねている冷たい部分が足に当たって
こそばゆくって…!
たまに揺れる髪の毛が足に当たるのにドキドキしてしまう。
あ ~ !!!!
諦めるとか絶対出来ないじゃん!
ご飯を食べてないというのを口実に無事玲於の頭から抜け出した。
ドアノブに手をかけた時。
ボソッと呟いた玲於の声が聞こえて立ち止まった。
ゆっくり玲於を見るとニヤニヤしながら私をカメラで撮ってる。
バカやろ…
絶対遊んでんじゃん、私で。
げっ。
すぐさま服を確認すると点々と赤いソース…
最悪…
こんな所見られちゃ恥ずかしい…!
玲於が悪いんだから!!
そう言うと、ヘラヘラして笑ってる。
私も怒るにも怒れない。
それかたわいもない会話をしてると
いつの間にかベランダから雨の音。
ベランダのドアを閉めてカーテンの隙間から外を見る。
雨は時間が経つにつれ、益々強まっている。
あ ~ 、今日は寝不足決定だ。
寝れない。絶対。
いや、、その前に。
床に寝転んだまま微動打にしない玲於。
近づいて玲於を見ると目を閉じて眠ってる。
かぁわいいいいい…♡
記念に1枚…っと。
パシャ…
玲於の寝顔GET。
ココ最近、寝顔なんて到底撮れなかったからレア物。
クローゼットから大きめのタオルを出して掛けてあげる。
電気を消して布団に潜る。
静まり返った私の部屋に響く外の雨。
ザーザーと止まない雨。
それに伴ってゴロゴロと唸り出す雷。
やばい…
めちゃくちゃ怖い…
初めはまだゴロゴロだし…大丈夫。
そう思って目を瞑る。
が、一向に眠れそうにない。
一瞬、気を許した瞬間。
ビッシャーーーーン!!!!
(( 雷の効果音わかんない笑 ))
大きな音の雷。
もう、心臓飛び出しそうで死ぬかと思った。
布団を目の下まで被って待機。
ますます眠れなくなった。
どうしよう…
怖い怖い。
まだゴロゴロ鳴ってるし…
玲於…
助けを求めようと起き上がろうとした時。
急に起き上がれなくて私の上に誰かが乗ってて
だんだん下に来て玲於の顔が私の横に…!
頭を撫でてくれてる。
暗闇の外からの光でもわかる優しそうな顔。
まさか、このためにずっと居てくれた…?
まるで、赤ちゃんをあやすお母さんみたいな…
あ ~ 、余計に眠れない。
体制を玲於を正面に目を閉じた。
玲於が居てくれる。
大丈夫。
そう言い聞かせて、眠りにつく。
ああ…やっぱり無理だ。
私に 諦める という選択肢はないかも。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。