第25話
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私肩の力を抜きフゥと生温い息を吐き出し作業に取り掛かった。
新企画をやるらしいけれど、この委員会は企画が多すぎじゃないかと少し思う。
先生の作った参考資料はあてにならない。
私はいくつか訂正の箇所を記して多すぎるプリントに次々と目を通していく。
ちらちらと優に目をやると、先ほどよりも落ち着いて淡々と作業をしていく横顔があった。
この前の放課後に見た勉強している姿よりも、こちらの方が生き生きとした顔をしていて体調は良さそうだと安堵する。
突然優は、私の視線に気が付いたのか少し顔を上げはずかしそうに赤くなってからまた視線を落とした。
「大丈夫そうだね」
小さな声でそういうと優は「え?」と言って顔を上げたが私は何も答えず作業を進めた。
「こっちはできたよ」
私は出来上がったポスターを顔の目の前いっぱいに広げ上から下までしっかりと確認した。
「一応こっちの作業も終わったけど…」
気が付けば周りで作業していた他の生徒達はいなく2人だけで作業していたらしい。
「じゃあ終わったし、帰ろっか?」