第17話
3
あぁ眠いな。
あくびをしながら教室に入ると、すでに優は学校にいた。
いつもなら結構ギリギリに教室に入ってくるのに珍しい、てあれ?
私の頭の中では昨日のことがあった。
「おはよう優、今日早いね」
遠回しにそう言ってみる。
「あぁ、俺は今日から真面目になったからな」
「ふぅん」
あまり納得のいく答えではなかった。
「あ、やべ1時間目の理科の教科書借りて来なきゃじゃん」
そういうと優は慌てて教室を出て行った。
そういえば昨日は理科なかった、もしかしたら優って家に帰ってなくて教科書昨日の教科のものしかないのかな?
やっば、昨日起こしてあげればよかった。
てことは優きっと夜ご飯食べてないんじゃない?朝ごはんも食べてないしきっとお腹が空いてるはず。
「優、お腹空いてる?」
私は理科の教科書を借りて帰ってきた優に尋ねた。
「ん、まぁね」
「ふぅん、じゃあ昨日やっぱり家に帰ってないんだ」
「は、お前なんで知ってるんだよ」
私は優の側に置いてあったジャージを指差す。
「それ、起きた時どこにあった?」
「え…」
優は目を大きく開いた。
「もしかしてこれかけたのお前?」
「当たり前じゃん」
そういうと優は顔を真っ赤にして俯いた。
「サンキュー」
「どういたしましてー」
私はそういってゆうの机の上にお昼で食べる予定だったパンを置いた。
今日は友達のお弁当分けてもらおう。