パパが倒れた。1時間前まで家族みんなで外食して、ふざけあって、笑い合ってたのに…
パパの意識がなくなるまでは早かった。もっと私が気づいていれば、1番近くにいた私が気づいていれば!
こんな風にはならなかったかもしれないのに…
救急車の音は私にとって地獄の音となった気がした。
あなたside
管でいっぱいのパパ。見ていることしか出来ない自分に腹が立って仕方がなかった。
信じたかった、もしかしたらあと数時間で死んでしまうかもしれない事が嘘だと信じたかった。
ママの無言が私にとって真実だと突きつけられるような気がした。
泣きたいはずなのに、何故か泣けなくて、そんな自分にまた腹が立って
パパは脳出血の中でも特に重い「橋出血」になったって、脳のド真ん中にある脳幹部分の「橋」は手術もほかの神経を傷つけないために出来なくて、でも、もう目や体は動かせないし、見えないし喋ることも出来ない。って。
けど…耳だけは聴こえてるから、いっぱい話してあげてって言われた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。