外から皆の声が聞こえる。
私は戻らないといけない。
皆がいるところに。
勝己の隣に。
でも、ここから抜け出せなかった。
力が入らない。個性が発動しない。
ARCが自分を守っていた。
そして、ARCの外にNOIRがいることも分かった。
NOIRが、自分を飲み込もうとしている。
それをARCが止めてるんだ。
けど、ARCにだって限界がくる。
限界がくるまでに、ここから出ないと。
ねぇ、ユユ。
もう、休んでもいいんじゃないかしら。
ユユは、沢山のことをやりすぎたと思うよ。
ユユのおかげで、何億人の人が助かったんだよ。
安らかに休もうよ。
誰と、勘違いしてるか知らんけど、私は「憂花」や。
あんたらが呼ぶユユじゃない。
じゃ、憂花さん。
貴方は前世と言うものを信じますか?
母様…、
…見覚えのない光景を見て懐かしさを感じたり、
愛おしさを感じたり、感じ方は人それぞれです。
ユユって呼ぶのは、君の前世の名前が「メラユユ」だったからだよ。
チラインが悲しそうに下を向きながら言う。
とても、美しかった。
誰よりも優しくて強い心を持っていて天界で人気があって信頼もあった。
だけど、落ちてしまったの。
下界に。赤ん坊を庇って。
その落ちてしまった魂は新しい体の元へ。
そして、貴方が生まれた。
ドドドドッと、憂花の心臓が跳ねる。
無理は言わないけど、早く前世を思い出して。
神さまがずっと貴方のことを待っているの。
急なお別れだったから……
レオランのことを止められるのはユユだけなんだ。
お願い。
なん、で、神さまは私を待って、んの?
憂花は、服をぎゅっと握りしめながら問う。
それは、貴方が神さまの唯一の娘であり家族だったからよ。
…ユユ…、母さん辛いよ。
貴方の暖かさが恋しい。
神さまの頬に聖水が流れる。
ポタッ…
グスッ)ユユ…ッ
ユユッ…、
憂花さん、無理に思い出さなくていいの。
辛いと思うから。
でも、思い出したら神さまのところに行ってあげて。
そう言って、女神たちは消えた
残された、憂花は激しい光に包まれていた、
憂花の魂が、存在をアピールする様に。
この、光…、知ってる、…
次の瞬間、憂花の頬に大粒の涙が溢れ出していた。
リイーブ…ッ、チライン…ッ、レオラン…、
女神様、魔王様、……、
母様ッッ…!!
憂花が「母様」と言った瞬間、ARCとNOIRが吹き飛んだ。
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編集部コメント
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