第53話

真相篇,過去 Ⅲ .
2,038
2023/04/04 11:40













あなた
あっ、あぁ、っ。

あなた
お母さん…っ、?









数分前、お母さんが



藍川美優
なんか焦げ臭い匂いしない?


そう言っていた。








その当時あたしは、そんな匂いはしなかったし

お母さんの気のせいだと思っていた。












あたしが気づかなかったから。


あたしがちゃんと受け止めていれば良かったのに。






























稀に見る大火事だった。












お父さんが冤罪で逮捕され、

世間も意見が傾いて来ている中で起こった〝 事件 〟








近所の人は、まるで

〝 犯罪者の子供なんか助けないように 〟


そんなふうに動いているようだった。









あなた
おかぁさん、!!
あなた
逃げよーよっ!!!!






辺り一面は炎でいっぱい。









大人が逃げられるほどの隙間は残っていなかった。












藍川美優
…っ、ごめん。あなた。




あなた
ねぇ、お母さん!!!












藍川美優
お願いっ、貴方だけでも逃げて…っ?




お母さんは、あたしを優先し自分は逃げようとしなかった。

















あなた
…へっ、ね、ねぇ?
あなた
おかぁ、さん…?


あなた
やだ、やだよっ!!






藍川美優
お願い。
藍川美優
これからたくさんの人に愛されるんだよ。
藍川美優
それで___あなたもいろんな人を愛してね。





まるであたしだけを逃がすかのように最期の言葉を
言う。









近所の人も助けに来ない。



そらそーだ。
世間的には犯罪者の妻と子供なんだから(笑







あたしは手首を火傷したが、

その他は無傷で家から出ることができた。







「 あなたちゃん!! 」



「 大丈夫?! 」









突然あたしを心配してくるご近所さんたち。












あなた
ね、ねぇ…?
あなた
あたしのことなんていいから、っ、

あなた
おかぁさんを…っ、
あなた
助けて……っ!!!





「 ……っ、 」









あたしを助けないように動いていたご近所さんに
お母さんの命乞いしちゃって。


それくらい心配だったんだ。








ほーらご近所さん、だんまりしちゃって。














あたしにとってこの出来事は、


齢11才で、2度目の絶望した瞬間だった。











この〝 事件 〟にも、



お母さんを助けなかった〝 ご近所さん 〟にも。











れいん(作者です。)
なんか本編の総文字数666だったんですけどヤダ怖い((
れいん(作者です。)
御報告があったので更新しました💦
呪術×ヒロアカの〝 兄弟ですけど 〟
鬼滅の刃の〝 時 ノ 雨 .〟を非公開に
しました。
勝手にすいません🙇🏻՞
れいん(作者です。)
この作品が終わったら公開しようかなと思ってます✊🏻 ̖́-‬

プリ小説オーディオドラマ