you side
あれから10分後。
配信を再開し、みんなに語りかける。
自分の恨んでる人
自分の過去
自分の両親のこと
それを全て明らかにする時が来た。
みんなが、藍のことを拒絶したら?
全てを、受け入れてくれなかったら?
そんなことが頭に過ぎり、呼吸が震える。
ここはあなたが好きにやる場所だから。
って言ってくれていた、カメラの横にいる耕一くんが口パクでそう伝えてくれる。
そーだよね。大丈夫。
あたしには耕一くんがいるんだから、!
武蔵 side
藍鬼が配信を始める。
くっそ、こっちは播磨の件で大変だって言うのに…
コメント欄を見ると、藍川さんに関係するコメント
ばかりだった。
正直、分かっていた。
俺がまだ病院に居て、藍鬼と少し戦った時に。
藍鬼の動きはあなたにそっくりだった。
藍鬼があなただったら、
俺は海斗さんと美優さんに顔向け出来ない…。
画面の中であなたは言った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!