第10話

923
2026/01/10 21:48 更新



翌日の夜間部授業は、いつもより静かだった。



首筋の小さな傷跡は、もうほとんど消えていたけど、
触れるとまだ熱くて、昨日の10人の牙の感触がよみがえる。



教室に入ると3人が、いつもより近い位置に座っていた。



3人とも、無言で私を見つめてる。




でも、今日は視線が違う。




……優しい、でも熱っぽい。




授業が終わって、すぐに3年生の誰かが迎えに来ると思ったけど、

今日は違った。



放課後、廊下で待っていたのはジフンくんだけだった。




ジフンくんはいつも無口で、一番怖いのに、



今日は少し違う。



私の前に立って、静かに手を差し出してきた。



🐶「……一緒に、寮まで送る」



断る選択肢なんてなかった。



手を握ると、冷たいのに、なんだか安心する。



ジフンくんの指が、私の指を絡めて、離さない。



寮の廊下を歩きながら、ジフンくんがぽつりと呟いた。



🐶「あなた」




初めて、名前を呼ばれた気がした。



心臓がドキッとする。



「……うん?」




ジフンが立ち止まって、私を真正面から見つめる。




瞳が、昨日の赤とは違う、柔らかい赤に変わってる。



🐶「俺のことオッパって呼んで?」





「え……?」




🐶「仲良くなった印に?ㅋ」


いつもクールなジフンくんが、こんなお願いをするなんて



頰が少し赤いのも見えた




「……オ、オッパ……?」




言った瞬間、ジフンの目が輝いた。



次の瞬間、私を抱き寄せて、首筋に顔を埋めてくる。




🐶「もう一回」





「ジフニオッパ……」




今度はもっと甘く。





ジフンオッパが満足げに息を吐いて、





「可愛い……」って耳元で囁く。



そのとき、廊下の角から声がした。




🐯「ジフンと、何やってるん?」



よしくんだった。




よしくんはいつもの明るい笑顔じゃなくて、



明らかに不機嫌そう。




眉を寄せて、腕組みしてる。



🐯「俺もあなたちゃんに呼んでほしいんやけど?

何ジフンだけ特別扱いなん?ㅋ」




ジフンオッパは私を抱いたまま、よしくんを睨む。





🐶「俺が最初に頼んだから」



🐯「ずるいやん! 俺だって昨日から我慢してたのに!」




よしくんがズカズカ近づいてきて、私の反対側の手を掴む。





🐯「なああなたちゃん、俺のこともオッパって呼んで? な? な?」





ジフンオッパが「離せ」って低く言うけど、





よしくんは離さない。
二人の間で、私は完全に挟まれてる。



ジフンは静かに、でも強く私を抱きしめて、



よしのりは甘えた声で「呼んで~」って繰り返す。



その騒ぎに、残りのメンバーも集まってきて、



はるとが「俺も! はるとオッパ!」





「はるとは年下じゃんㅎㅎ」



🦋「別にいいじゃ~ん」



って次々に絡んでくる。



結局、ヒョンソクさんがため息をついて、



🦔「みんな、落ち着け。困ってるだろ」



でも、ヒョンソクさんも、



🦔「俺は……ヒョンソクオッパでいいかな」



って小声で付け加えて、みんなが「ずるい!」って大騒ぎ。


私はもう、顔が熱くてたまらない。
でも、なんだか……


この甘い混乱が、嫌じゃなかった。


ジフンオッパが最後に、私の耳元で囁いた。




🐶「毎日、オッパって呼んで。…俺だけにㅎ」



よしくんが横から「いや俺にも!」って割り込んでくるけど、




ジフンオッパは無視して、私の首筋に軽くキスを落とした。



昨日の牙の跡に、



新しい熱が加わった。













𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝

プリ小説オーディオドラマ