翌日の夜間部授業は、いつもより静かだった。
首筋の小さな傷跡は、もうほとんど消えていたけど、
触れるとまだ熱くて、昨日の10人の牙の感触がよみがえる。
教室に入ると3人が、いつもより近い位置に座っていた。
3人とも、無言で私を見つめてる。
でも、今日は視線が違う。
……優しい、でも熱っぽい。
授業が終わって、すぐに3年生の誰かが迎えに来ると思ったけど、
今日は違った。
放課後、廊下で待っていたのはジフンくんだけだった。
ジフンくんはいつも無口で、一番怖いのに、
今日は少し違う。
私の前に立って、静かに手を差し出してきた。
🐶「……一緒に、寮まで送る」
断る選択肢なんてなかった。
手を握ると、冷たいのに、なんだか安心する。
ジフンくんの指が、私の指を絡めて、離さない。
寮の廊下を歩きながら、ジフンくんがぽつりと呟いた。
🐶「あなた」
初めて、名前を呼ばれた気がした。
心臓がドキッとする。
「……うん?」
ジフンが立ち止まって、私を真正面から見つめる。
瞳が、昨日の赤とは違う、柔らかい赤に変わってる。
🐶「俺のことオッパって呼んで?」
「え……?」
🐶「仲良くなった印に?ㅋ」
いつもクールなジフンくんが、こんなお願いをするなんて
頰が少し赤いのも見えた
「……オ、オッパ……?」
言った瞬間、ジフンの目が輝いた。
次の瞬間、私を抱き寄せて、首筋に顔を埋めてくる。
🐶「もう一回」
「ジフニオッパ……」
今度はもっと甘く。
ジフンオッパが満足げに息を吐いて、
「可愛い……」って耳元で囁く。
そのとき、廊下の角から声がした。
🐯「ジフンと、何やってるん?」
よしくんだった。
よしくんはいつもの明るい笑顔じゃなくて、
明らかに不機嫌そう。
眉を寄せて、腕組みしてる。
🐯「俺もあなたちゃんに呼んでほしいんやけど?
何ジフンだけ特別扱いなん?ㅋ」
ジフンオッパは私を抱いたまま、よしくんを睨む。
🐶「俺が最初に頼んだから」
🐯「ずるいやん! 俺だって昨日から我慢してたのに!」
よしくんがズカズカ近づいてきて、私の反対側の手を掴む。
🐯「なああなたちゃん、俺のこともオッパって呼んで? な? な?」
ジフンオッパが「離せ」って低く言うけど、
よしくんは離さない。
二人の間で、私は完全に挟まれてる。
ジフンは静かに、でも強く私を抱きしめて、
よしのりは甘えた声で「呼んで~」って繰り返す。
その騒ぎに、残りのメンバーも集まってきて、
はるとが「俺も! はるとオッパ!」
「はるとは年下じゃんㅎㅎ」
🦋「別にいいじゃ~ん」
って次々に絡んでくる。
結局、ヒョンソクさんがため息をついて、
🦔「みんな、落ち着け。困ってるだろ」
でも、ヒョンソクさんも、
🦔「俺は……ヒョンソクオッパでいいかな」
って小声で付け加えて、みんなが「ずるい!」って大騒ぎ。
私はもう、顔が熱くてたまらない。
でも、なんだか……
この甘い混乱が、嫌じゃなかった。
ジフンオッパが最後に、私の耳元で囁いた。
🐶「毎日、オッパって呼んで。…俺だけにㅎ」
よしくんが横から「いや俺にも!」って割り込んでくるけど、
ジフンオッパは無視して、私の首筋に軽くキスを落とした。
昨日の牙の跡に、
新しい熱が加わった。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!