第70話

#69
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2020/07/27 23:01
帰宅し、荷物を下ろす。



自分の部屋に戻ると、血が固まったカッターと、血まみれのシーツが目に入った。



冷静に、カッターを捨てる。



シーツは洗おうと思ったが、時間が経ってしまったいるので落ちないだろうと思って諦め、シーツも捨てた。







窓から外を見る。さっくんと初めて会った日の様な。美しい夕焼けが広がっていた。




ピンポーン




突然チャイムがなる。




ドアを開けると、そこには翔太と涼太がいた。




「あなた、ご飯作りに来たよー」




涼太が笑う。



翔太は缶ビールの箱を抱えていた。



「ありがとう」



きっとさっくんが呼んでくれたんだろう。






「翔太、この前はありがとう」




ふと思い出し、お礼を告げる。





「別に、仕事しただけだし… てかお前、腕大丈夫か?」





素っ気なく言う翔太。でも、私の気持ちはちゃんと伝わっている様だ。




「うん、もう大丈夫」




「大丈夫って言っても、無理しちゃダメだからね?」






また涼太が優しく嗜める。




「はーい」





そんな会話をしながら、リビングでゆったりと過ごしていると、さっくんが帰宅した。

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