第38話

#37
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2020/07/19 10:55
全て話終えると、さっくんが勢い良く抱きついてきた。



「あなた、話してくれてありがとう。」



後ろから苦しいくらいに抱きしめられる。



「さっくん… 苦しいよ?笑」


「あ、ごめん」



今度は後ろから優しく抱きしめてくれた。ああ、誰かに抱きしめられる感覚ってこんなだったんだ。
頭の中で、毎日ハグをしてくれた母親に想いを馳せる。



「…あ、あなたいい匂いがする…」


私の首元に顔を埋め、匂いを嗅ぐ。


ドキドキしている事を悟られてないか不安になった。



「何の匂い?」 


「金木犀。誕生花なの!」


「へぇ、いい匂いだね〜」







外もすっかり暗くなった頃、車に乗り込んでさっくんの家に帰った。



帰り際に、彼はこんな事を言った。




「忘れ物ない?しばらくここには戻ってこないでしょ?」



…これからもさっくんと一緒にいていいんだ。私の過去も彼は受け入れてくれたんだ。



彼と過ごすこれからに心を躍らせながら、自分の家を後にした。

































部屋からでてくる2人を陰から見ていた人がいることには気づかずに…………………

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