「いただきます!」
4人の声が響く。涼太くんが作ってくれたのはローストビーフ。なんて贅沢なんだ。
「美味しい…!」
一口を噛みしめながら食べる。
すると、私のことをじっと見ていた涼太くんが口を開いた。
「ふふ、そんなに美味しそうに食べてくれて、俺も嬉しいよ笑」
さっきの爽やかな笑顔とは違い、子供のようにニコニコしながらいう涼太くん。
この人、こんな顔もするんだ。
食べ進めるうちに、私は二人とすぐに打ち解けた。
「じゃあ二人は双子なんだ?」
「そういうこと」
「涼太の方がお兄ちゃんに見えるけど、実は俺が兄なんだぜ?」
なんてドヤ顔でいう翔太くん。この人面白い笑
楽しい時間はあっという間に過ぎた。
「じゃーね!」
「ご馳走様でしたー!」
「またいつでも来てね~」
二人に見送られながら、2メートル程離れたさっくんの部屋に帰った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。