「ねえあなた!今夜ここ行くよ!」
「へ!?」
とある日曜日の午前、ソファーでスマホを見ながらダラダラしていた私に、突然さっくんがスマホの画面を見せてきた。
「え…ここって?」
「そう、ここ!」
そこは、1度は誰もが聞いたことのある、都内有数の超有名レストランだった。
「え、こんなとこ高くて無理だよ?」
「つべこべ言わないでよ。もう予約しちゃったんだから!」
どうしてまたこんな事…
勝手に決めた事に怒ろうとしたが、あまりに彼が嬉しそうな顔をしているのでやめた。
「わかった。準備しとくね?」
「うん!」
「お腹は空かせといた方がいい」という彼の意見に賛成し、昼ご飯はサラダだけにした。
ドレスコードがあるため、服を慎重に選ぶ。お互いあーだこーだ言いながら服を選んで髪をセットし、メイクをしたらもう出発ギリギリになってしまった。
「出発ピーマンー!」
「なにそれ笑」
いつもよりカチッとした格好で運転する彼の横顔はやっぱり見惚れるほどに美しかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。