第78話

#77
1,140
2020/07/29 23:22
高層ビルの最上部にあるレストランに入ると、すぐに窓側の席に通された。





飲み物の注文を聞きにきた店員さんに、「アイスティーお願いします」とだけ伝える。





「もうコースは頼んであるからね〜」




「ねえ、私そんなにお金ないんだけど…」




「気にしないで、今日は俺の奢りだから。あなたはただ楽しんでればいいの。」






そう言って微笑む彼にお礼をいい、言われた通りただ楽しむことにした。





運ばれてきた料理は、テレビでしか見たことのない様なものばかりで、私はすっかり上機嫌になった。





「さっくん!すごい!これ美味しい!」




「そうだねぇ、美味しいねぇ」





次々と運ばれてくる料理を夢中で食べる。どれも本当に美味しい。






こんなに幸せでいいのだろうか。



綺麗な夜景。



次から次へとはこばれてくる美味しい料理。




目の前で微笑む大好きな人。










ああ、幸せだなぁ。





一通り食べ終わり、デザートを待っている。





先ほどお皿を下げにきた店員さんに、「デザートはもう少々お待ち下さい」と申し訳なさそうに言われたので、全然大丈夫だと告げ、彼と並んで夜景を眺めていた。





「なんかさ、夜景って星みたいだと思わない?」



「星かあ、そうかもね」



「私ちゃんと綺麗な星を見た記憶がないの。いつか空いっぱいの星を見てみたいなぁ…」



「じゃあさ、今度2人で行こうよ。」



「え、いいの?」



「うん、俺あなたと星みたい!」



「じゃあ約束ね!」





さっくんと星を見にいく。その約束をしただけでもとっても幸せだった。




しばらくすると、デザートが運ばれてきた。







「え?」







そのケーキに被っていた蓋が外された時、一瞬頭が真っ白になった。





誕生日などでよく使うチョコで出来たプレート。





そこには文字が書かれていた。








チョコペンで手書きで書かれた字。




そこにはしっかりと書かれていた。











































































「僕と結婚してください」








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