第12話

#11
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2020/07/06 11:23
ここに来て、2回目の食事。


「いただきます」 

「ん、美味い!」


これまた幸せそうな顔でさっくんは言う。


やっぱり彼は天才だ。人を幸せにさせる天才。



「あなたって普段料理すんの?」

「うん、高校出てから1人暮らししてるから」

「すごいなぁ」

「すごくないよ笑」



不思議だ。昨日出会った人なのに、まるで幼なじみの様な、はたまた家族の様な安心感がある。


阿部くんが言ってた事がわかった。確かに彼はいい人だ。



「よし、じゃあ買い物行くからあなたは準備して〜。お皿は俺が洗っとく。」

「さっくんありがと!」



部屋に行き、髪を整え、いつもより薄いメイクをし、ワンピースを着る。


このワンピースはお姉様の物だ。昨日さっくんが「これ着ていいでやんすよ〜」と出しといてくれた。全く、どこまで気が回せるんだ。

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